writer : testjournalist

【ドラマの女王】金八先生最後の授業よりも新旧ジャニーズタイムに愕然。

人気ドラマシリーズ「3年B組金八先生」が定年を迎える今年、3月27日にその32年の歴史に幕を閉じた。
シリーズ当初は兄のような存在でもあった金八先生も生徒から「じじい」と言われる年齢だ。

3年B組金八先生ファイナル『最後の贈る言葉』」は4時間もの長丁場だった。金八先生こと坂本金八(武田鉄矢)の娘・乙女(星野真里)の結婚式から始まり、教師生活最後の3Bの問題児・景浦裕也(岡本圭人・Hey!Say!JUMP)を歴代の卒業生たちと一緒に救っていく様子が描かれた。卒業生が出てくる度、その生徒の思い出のシーンが流れたのでとても助かった。それにより全シリーズを見ていない人も、それこそ親子でも楽しめる仕上がりとなっていた。改めて32年という年月を感じることが出来た。

60歳と年を取った金八先生もかつての勢いを失い気味で久しぶりに見た方は驚いたのではないだろうか。それに加え、体調も優れないなど、かなり弱々しい姿になってしまった。そんな弱っている金八先生の姿はあまり見たくないと、いたたまれない気持ちになったのだが、3Bの卒業生たちにとっては「先生はいつまでもあの頃のままだ」という気持ちでいるのがひしひしと伝わってきた。

一人では体力的にも景浦の面倒を見切れなくなった金八先生を、噂を聞きつけた卒業生たちがアシストする。マッチこと近藤真彦演じる星野清の説教に始まり、兼末健次郎(風間俊介)と深川明彦(亀梨和也)は危ないところを救い、増田、加藤は勉強を教えるなど立て続けに登場。歴代ジャニーズ出演タイムとなった。その様子は景浦こと岡本が事務所の先輩に挨拶回りをしているようにしか見えない。確かに毎シリーズジャニーズのタレントは出ているが、あれだけジャニーズしか出ていないシーンは異例だ。生徒たちのその後は知りたいが、4時間もある中であれだけ集中するのはいかがなものかと思わずにはいられなかった。それにレギュラー放送の時には滅多に出てこない卒業生が頻繁にタイミング良く現れる点も、事情は分かるのだが「最後だからって次から次へと!」などと思ってしまった。

ともあれ卒業生にも助けられながら無事、景浦含む3Bの生徒は全員卒業。式の後には歴代3Bも加わっての金八先生の卒業式が行われた。そのうちの約30分は出席者の名前を呼び上げるだけだった。しかも返事をする生徒たちの大半はアドリブだったのだろうか。返事をして立ち上がるまでは良いが座るタイミングが皆ぎこちない。金八先生に一言添える生徒もいるが、先生の返事も曖昧だったりと不思議な空気だった。なんだか演じていた役というより本人自身のその後をお披露目しているようになっていた。けれど思い入れのあった生徒を懐かしんだり、今や若手注目俳優になっている生徒が実は出演していたのかと驚いたりしているうちにどっちでも良い気持ちになってしまったのだが、あのシーンの撮影は大変なものだっただろう。

見ていないシリーズがあっても置き去りにされることなく幅広い世代を感動させた金八先生の卒業式だが、ラストの金八先生の表情が少し短かったように感じた。しみじみ「先生ありがとう」と浸ろうとした瞬間CMになってしまったため、拍子抜けしてしまった。あの表情があと数秒長ければ、もっと存分に泣けていただろう。

それと個人的には第6シリーズで主要生徒だった上戸彩が全く出てこなかったことが残念でならない。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)