writer : tinsight-yokote2

【巨大地震・盛岡から】その10 せっかくの救援物資が釜石港と花巻空港でストップしていた! 県の対応に怒り。

おかしい。「被災地に向けて救援物資がどんどん出荷されています」と全国的に報道されているというのに、なぜ多くの避難所では困ったままの状態が続いているのでしょう。やはり “連絡体制不備による足止め” という、最も情けない事態が起きていました。

17日付の地元紙「岩手日報」が報じているところによれば、政府、岩手県対策本部、被災地の間でやりとりが混乱を極め、初動対応が後手に回ったこと、そしてせっかく全国の人々の厚意で寄せられた救援物資が、連絡体制や調整の不備により、花巻空港と釜石港で止まったままだというのです。

釜石港に16日、国土交通省の「清竜丸」が食料、毛布、発電機などを積んで接岸したというのに、湾岸を管理する県は事前連絡を受けていたものの「輸送手段が確保できない」と告げ、荷下ろしの許可に手間取り、被災者が待ち望んでいる食料は17日以降に下されるというのです。

県総合防災室は「物資は本当にありがたいが、事前に一報を」などと話しているため、恐らく現場との情報交換がきちんとなされていないのでしょう。陸上自衛隊第9師団は「県から要請があれば、ヘリで被災地搬送に協力することも可能」と指示を待っている様子。いったいどうなっているのでしょうか。

TVでは、達増拓也県知事が被災地の避難所の人々を励ます姿が昨日見受けられましたが、知事の体はたったひとつです。このような緊急非常事態ですから、県幹部らが知事の分身になったつもりで主体的にテキパキと動いて頂かなければ困ります。

ちなみに現在、盛岡市にある本庁と振興局からは職員80人が被災地に派遣されているそうですが、4000人いる職員のうちの80人です。「緊急車両」という扱いで、ガソリンを優先的に入れてもらっている県職員の車両です。たったの80人…、あまりにも少ない出動体制ではないでしょうか。
(TechinsightJapan編集部 古瀬悦子)