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【アリ?ナシ?】京王6000系引退まで1か月 異例のサヨナラ運転なしにファンは…

新宿と八王子、高尾などを結ぶ私鉄・京王電鉄にて長きにわたり運用されていたアイボリーの車両「6000系」が、まもなく全車両引退する。今月27日に引退記念イベントが開催されることが明らかになった。しかし車両をホームに停めての展示やグッズ販売が中心となり、走行イベントは開催されないことが本サイトの京王電鉄広報部への取材で明らかになった。

京王6000系は、1972年デビュー。京王初の大型車として導入され、特急や急行、都営新宿線との乗り入れなどに運用され1991年までに304両が製造されたが、省エネタイプの新型車両にとって代わり、先月28日をもって競馬場線の運用にあたっていた2両編成の車両なども引退。現在は動物園線にて「TAMA ZOO TRAIN」として運用される4両編成の車両が1編成残るのみである。

京王電鉄の公式発表によると、今月27日(日)に京王動物園線の多摩動物公園駅にて、「6000系ありがとうフェスタ」を開催するという。当日は朝11時40分頃から午後2時頃まで6000系「TAMA ZOO TRAIN」の車両を駅ホームに停車させ展示するほか、改札外にて6000系の思い出を関係者や沿線利用者が語るトークショーや、6000系写真パネル展、抽選会などを行う。さらに、6000系マフラータオルやポスターなどの記念グッズを販売する。グッズの中にはTシャツや写真集も含まれ、全て数量限定となっている。販売は午前10時から午後3時までで、売り切れ次第終了となる。

また、午後1時からは抽選会が開催される。抽選会には、各ブースにて300円以上を購入した人に配られる抽選券を投函することで参加でき、6000系にちなんだ賞品がプレゼントされるという。

さらに、京王電鉄では27日から京王線・井の頭線全69駅にて「ありがとう6000系記念乗車券」を発売する。これは6000系車両の画像をあしらった台紙に京王線の新宿・京王八王子・高尾山口・府中競馬正門前・多摩動物公園発の硬券乗車券をそれぞれ1枚ずつ、計5枚をセットにしたもので、1セット1200円。3900セット限定で、一人当たり5セットまで購入することができる。3900という数字には、6000系が京王沿線を走り続けた年数である39年間と、感謝(=サンキュー)の意が込められているという。

尚、京王電鉄では1996年に5000系が引退した際はファンを乗車させてのラストランを実施したが、6000系についてはそうした発表はなく、このまま引退・廃車を迎えると見られる。京王電鉄広報部によると、ラストランは予定しておらず、2両編成の車両については既に若葉台検車区へ移され、順次廃車の手続きを進めているという。

京王では現在、ATC(=自動列車制御装置)の導入を進めている関係で、6000系が相模原線内を走行できないことや、唯一残存する車両が変則的な5扉の車両であり短い4両編成であることも関係していると見られる。

老朽化した車両の引退時にはラストランを行うのが一般的だ。しかし、今回はこうした事情からラストランを行わないことが明らかになった。しかし、6000系がこのまま本線を走行せずに引退してしまうことは、ファンにとっては残念なことである。

※画像は京王電鉄提供
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)