アイルランド出身の俳優で映画『96時間』や『特攻野郎Aチーム』などで知られるリーアム・ニーソン(58)が、スキー場での不慮の事故で2年前に亡くした妻の女優ナターシャ・リチャードソン(享年45=写真円内)について、「悲しみは今でも突然、夜中に僕を襲ってくる」と語り、いまだに心の痛手から立ち直れずにいることを明かした。
リーアムの妻のナターシャがカナダ・モントリオールのスキー場でレッスン中に頭部を打ち、搬送されたNYの病院で亡くなったのは、09年3月のこと。おしどり夫婦を襲った突然の訃報に、全世界がショックを受けお悔やみの声が相次いだ。リーアムはこのほど雑誌『エスクァイア』最新号のインタビューに答え、初めて妻の死について語った。
妻が収容された病院に駆けつけたが、入室を拒否されそうになったと語るリーアム。「混乱状態のERで誰も自分が誰だか気づいてもらえず、妻のところにたどり着くまでにとても時間がかかり、病院のスタッフを押しのけてしまいそうになるくらい苛立った」という。しかしナースの1人に映画『シンドラーのリスト』に出ていたリーアムを認識してくれる人がおり、ようやく妻に会えたものの、若い医師にその場で最悪の事態を告げられたということだ。
そして受け入れがたい妻の死。リーアムはひたすら仕事に逃げ込み、没頭することで、悲しみを乗り越えようとした。「自分が何歳なのか十分に分かっているし、もしも肩のケガをしたら、それくらいで映画『96時間』みたいな激しいアクション映画の主役を逃してしまう可能性だってあった。だから、トレーニングを必ずやり、仕事も欠かさなかった。仕事の計画をたくさん立てるのは簡単で、効果があったね。」
しかし、どんなに仕事をしても妻を失った悲しみは戻ってきた。「これが不思議なところなんだけど、悲しみってやつに対して準備は出来ない。悲しければ泣いて、立ち直ればいいと思うだろう。でもそんな計画を立てても、これだけは計画通りにいかないんだ。」悲しみが最も襲ってくる時間帯とは、夜中だというリーアム。「夜中にどうしようもなく、悲しくなる。もうどうしようもなくね。だから、外に出て散歩を始める。」
当初妻の死について聞かれ話すことを渋っていたが、ところどころ言葉を詰まらせ、途中で目をしばたたかせながら、徐々にこれらの話を語ったというリーアム。折しもインタビューの場所は、ナターシャとの行きつけのレストランで、二人の思い出の場所だったそうだ。
仕事は「没頭している」というだけあってノリに乗っているリーアム。新作の主演サスペンス映画『身元不明(原題=Unknown)』も全米公開されたばかりだが、彼の悲しみが癒える日はいつかくるのだろうか?
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)