アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】殺害動機は「sir」を使わなかったから。3人殺害犯に終身刑。(南ア)

3人を射殺した男は3人分の終身刑を受けることとなった。西ケープ州で昨年12月に起こった殺人事件の原因は敬称”sir”を使わなかったことが引き金となったようだ。

事件は2009年12月5日、西ケープ州ビューフォートウェスト郊外のNooitgedachtという農場で、農場管理人が3人を射殺した。彼らは勤務時間について口論をしていたが、管理人に対して”sir”を使わなかったことが気に入らなかったらしく、銃を持ち出してきた管理人が3人を撃った。

殺害された3人はヘレナ・ヌウェゲルドさん(85)というビューフォートウェストのカルー(Karoo)地方でギタリストをしていた女性、彼女の夫、そして夫婦の友人男性だった。ヌウェゲルドさんは独学でギターを覚えた美声の持ち主、CDも出している。

被害者3人と管理人は、農場オーナーの自宅の並びにそれぞれ住んでいた。管理人は事件当時、ヌウェゲルドさんそして他の2人と勤務時間に関して意見の食い違いがあったのは覚えているが、撃ったのは覚えていないと主張していた。しかし、農場オーナーは管理人が「ヌウェゲルドさんを撃ち殺してやる」と言っていたと裁判で証言している。

11月8日のビューフォートウェスト裁判所における判決で管理人は有罪、3人分の終身刑となった。

判決の日の夜、ヌウェゲルドさんと10年来の仕事仲間であり亡くなる3日前に最期の会話をしたという男性が、この判決に対して「裁判所の決定は喜ばしいが、正義が報われたとは思わない」と述べている。

ヌウェゲルドさんは非常に繊細でプライドの高い人物。彼女の書く辛く苦しい人生や、家族についての歌は素晴らしかった。しかし、その繊細で高いプライドゆえ管理人に敬称の”sir”をつけなかったという理由だけで殺されなければならなかったというのは許しがたい、ともその男性は述べている。

たとえ高齢でプライドが高かったとしても、そして殺したいほど憎い相手がいたとしても、相手を敬う気持ちは持っているべきだったのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)