『ナイジェリアのタリバン』とも言われているイスラム過激派グループ「ボコ・ハラム（Boko Haram）」が火曜日の夜にナイジェリア北部のバウチ州（Bauchi）にある刑務所を襲撃し、およそ850名が逃走した。

火曜日の夜、ボコ・ハラムのグループは銃や武器を持ち刑務所の門を銃撃し、数名の職員を殺害した。中に進入したメンバーは房を次々と開けて囚人を解放し、建物や外に駐車してあった刑務所の車に火をつけていった。ボコ・ハラムと軍や警察の激しい攻防戦は1時間ほど続き、刑務所近郊は一時封鎖されていた。

刑務所には900名以上の囚人が収容されており、うち約150名はボコ・ハラムのメンバーだった。事件後、刑務所内で確認された囚人はたったの37名しかいなかった。

刑務所の向かいに住む男性は、家から銃声が聞こえ多くの警察官が銃で撃たれその遺体が積み重なり、負傷者がトラックに積まれているのを見たそうだ。また、ボコ・ハラムのメンバーたちが「Allahu Akba（アラーは偉大だ）」などと唱えているのも聞いている。警察では「今回のバウチ州刑務所の襲撃は、ボコ・ハラムのメンバーが仲間を刑務所から解放するために行ったと思われる」と発表し、被害の状況や逃走した囚人の確認などを調査している。

また今回の襲撃はイスラム教のラマダンが終了する直前に行われており、来年1月に行われる予定の大統領選を控えていることから今後もより厳しい警戒が必要とされている。

人口はアフリカ最大の1億5千万人であるが、依然として情勢が不安定な国である。
（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）