エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「生きた心地しなかった」。真木よう子「お龍」に辿り着くまでの修羅場を語る。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬の妻、お龍を演じるのが女優の真木よう子だ。昨年から龍馬伝のキャストの中でお龍は誰が演じるのか注目されていた。その役に彼女が大抜擢されたのだ。テレビ番組でその真木よう子がこれまでのドラマや映画での苦労を話したが、その積み上げがあってこそお龍に至った事を思わせる内容だった。

記者が真木よう子を最初に目にしたのはドラマ「SP(エスピー)」だった。抜群のスタイルに目力のある表情で男勝りの言動とアクション。とにかくカッコイイ女優だという印象が残った。
その他にはCMで見た程度だったので彼女が「龍馬伝」のお龍役に決まった時は正直意外な感じだったのである。その真木よう子が9月18日放送のテレビ「土曜スタジオパーク」に出演して数々のドラマや映画でのエピソードを話した。

真木よう子は小学校の頃に勉強が苦手だと自覚して「勉強したくないのに高校に行くのは意味がない」とすでに決心していたという。この頃から意志の強いところがあったのだ。
中学校を卒業するとすぐに俳優養成所に入った彼女は女優としての力をつけていき2001年に映画「DRUG」でデビューしている。以降「バトル・ロワイアルII」(2003年)、「パッチギ!」「THE JUON/呪怨」(2005年)、「ゆれる」(2006年)と活躍していく。

2007年には前述のドラマ「SP(エスピー)」に出演している。この時にアクションの練習が必要となったが、かなりハードだったらしく「今もそれが役に立っています」と彼女は言葉少なに語った。

こうして、映画、ドラマと出演して知名度もあがってきた真木よう子が最も力をつけたと思われるのが2008年に主演したドラマ「週刊真木よう子」なのである。
全12話の短編からなるオムニバスドラマで脚本、監督もそれぞれ違うものだ。コミカルなものからシリアスなものまであり、真木よう子としては12人の女性を演じる事になるのである。
例えば『恋泥棒ヨーコ』の回では、“笑顔が素敵なマドンナ的ウエイトレス”となり、お客の心をつかんでいくという内容だ。
かと思えば『おんな任侠筋子肌』では“憎しみの為に両腕が筋子(すじこ)になってしまった女”を演じてロングコートの袖から筋子の腕が出て拳銃を持った連中を相手に戦うという設定になる。

全くカラーが違うドラマを12本撮り続けるのだが、1日に1本撮影してしまうというスケジュールでもあり、かなりハードだったのだ。
真木よう子はその時の心境を「生きた心地がしなかった」と語った。何も考えずに言われる役を流れ作業のようにこなしていく感じだったという。

現在彼女が演じているお龍では「笑顔がない」「地味すぎる」などの声がネット上でも見られる。しかし彼女自身はこれまでの経験でどんな女性でも演じる事が出来るはずだ。つまり龍馬伝でお龍のあるべき姿を彼女なりに演じた結果が今のイメージとなっているのであり、真木よう子自身のカラーがそうさせているのではないのだ。

真木よう子はお龍も含めて“女優をやってこられた理由”について聞かれると「演じていると滅多に無い事だが『本当に楽しく感じる』事がある」と言う。そしてその為だけに女優をやっていると答えた。中学を卒業してから女優の道一筋でやってきた彼女だからこそ出る言葉ではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)