アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】なぜ?予定より3分早く。ケープタウンのランドマーク爆破。(南ア)

1961年に建設されたケープタウンの2つの冷却塔が、先週日曜日破壊された。午後12時に破壊すると市は宣言していたが、実際に破壊スイッチが押されたのは12時の3分前。このルーズな『南アフリカ時間』によって、多くの人が冷却塔の最期を見逃した。

『Old Ladies of Cape Town』として親しまれていた2つの塔は1961年に建設され、ランドマークの存在だったが今年の2月に破壊することが決まった。破壊される前日には多くの人が写真を撮るなど別れを惜しんでいた。また爆発後に崩壊しやすくするため、塔には数千箇所穴が空けられた。市は破壊するためのスイッチを昼の12時に押すと発表し、テレビクルーやヘリコプターが12時に合わせて準備していた。

しかし、市長がボタンを押したのは予告3分前の11時57分。塔は30秒ほどで姿を消し、煙が立ち上った。この3分早めたことについて、市は「天候、風の向きなどを考慮してこの時間がパーフェクトだと判断した」そうだが、市民の反応は意外にも大きかった。

「ちょっと友達と話して塔を見たら、もう破壊されていた」とせっかく高台まで見に来た人は残念そうに語った。テレビクルーも、ちらっと塔を確認して自分の時計を見て振り向いたらすでに塔は半分以上崩壊していたという。

ランドマークがなくなったことに対しても市民の影響はややあるようだ。ある男性は「(違法だが)酔って車で帰るとき、あの塔が見えたら『あ、もうすぐ家だ』と思えた。これからは家に帰れるか不安だ」と残念そう。また、塔の近所に住む人は「今まで場所を教えるときに塔を目印にすることが多かったので、道順を教えるのが大変だ」と困っている。

この日の天気は降水確率80%で底冷えのする1日だった。市長も寒さに耐え切れず押してしまったのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)