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【名盤クロニクル】火花が散るピアノ!アルゲリッチ「チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番」

2010年7月7日 16:00

(画像提供:Amazon.co.jp)

(ジャンル:クラシック)

ピアノに限らずあらゆる楽器の演奏において、指が速く動くとか、超絶的な曲を難なくこなすというのは、それ自体に価値があるわけではないが、その技巧が高度に音楽的であった場合、いい知れない感動を与えてくれる。

そんな演奏の一つが、マルタ・アルゲリッチのピアノとキリル・コンドラシンの指揮、バイエルン放送交響楽団による、チャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調」である。




クラシックに詳しくない人でも、この曲の冒頭部を聴けば、「ああ、あの曲ね」と思い出す人もいるだろう。昔はテレビCMでもよく使われていた名曲だ。

ホルンの導入に導かれて弾き出すアルゲリッチのピアノの堂々たる響きにまずは圧倒される。作品はチャイコフスキー特有のロシア的な憂愁と雄大な響きが融合した傑作であるが、その傑作をさらに一段階も二段階も引き上げるようなピアノである。

アルゲリッチの天才ぶりは、第3楽章に最も表れている。もともとロシア舞曲をモチーフにした楽章なのだが、アルゲリッチは速いパッセージを正確無比に、そして華麗に弾きこなす。物凄く速いフレーズであるにもかかわらず、音の一つ一つが煌めいているのが目に見えるようなのだ。

音楽は速いテンポでぐいぐい進み、怒濤の終結部へ突入する。ピアノがオクターブで強烈なアタックをかます凄さは息を呑むほどである。

この曲はアルゲリッチの十八番であり、このほかにも数多くの録音が残されている。アルゲリッチの最近の活動は室内楽中心になっているので、もしかしたらもう演奏されることはないかもしれないが、これまで残された録音を聴き比べてみることで、より豊かな音楽体験ができるだろう。

(収録曲)
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23」
第1楽章
第2楽章
第3楽章
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)


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