エンタがビタミン

writer : techinsight

【エンタがビタミン♪】「人間の急所で笑わせた」。内藤大助の世界王座を後押しした“長谷工”時代のイイ話。

ボクシングの内藤大助は、見ごたえのある試合内容でボクサーとして人気があるのはもちろんだが、バラエティ番組でも独特のキャラクターと話術で楽しませてくれる。誰にも愛されるそのキャラクターは、彼がボクシングを始めたころに勤務していた建設会社の『長谷工』時代に培われたようだ。実は意外と知られていない長谷工時代の内藤大助について、彼の兄や同僚らにインタビューを試みた。そこでは無名時代の彼の素顔が垣間見える興味深い話しを聞くことが出来た。

ボクシング元WBC世界フライ級王者の内藤大助は昨年11月、亀田興毅との試合に判定負けしてベルトを奪われた。35歳になる彼だけにすぐに引退説も流れたが、彼はそれを否定すると再起を宣言してトレーニングを再開したのだ。そして今年、5月9日にリエンペット・ソー・ウィラポン(タイ)にKO勝ちして、みごとに再起を果たしたのである。

内藤大助は北海道に生まれ、高校時代までを過ごしている。これはよく知られた話だが、中学校時代はいじめに苦しみ、胃潰瘍になるほどストレスを感じる不遇な時期を送った。そんな、いじめられっこがやがてボクサーとして成功した展開が漫画『はじめの一歩』に近いことから、『リアルはじめの一歩』と言われることもある。

彼が高校を卒業して、仕事のために上京して最終的に兄を頼って就職したのが『(株)長谷工コーポレーション』だった。そこで彼は建物の無料診断を行う「住優師チーム」に所属した(※現在、当該サービスは株式会社長谷工リフォームが担当。)

当時、既に結婚していた内藤はボクシングと両立するためもあって「残業もなく定時で仕事が終わる」という条件が魅力的で、何より実の兄が勤めているということから安心して仕事をスタートすることができた。

その兄の証言によると会社では、朝礼時に「1分間スピーチ」を行う慣例があり、内藤はその頃に「スピーチ能力が付いた」ということなのだ。
兄はさらに「その『1分間スピーチ』では、“どこが人間の急所か”という話で同僚の笑いを誘っていた」と笑いながら話してくれた。
バラエティで時おり独特なギャグを入れて笑いを誘う内藤大助のトーク術はこの頃に身に付けられた“スキル”だったのである。

また、同僚によると内藤は「お酒はめっぽう強く下ネタが好きだった」ということなのである。これには、思い当たる節があり彼がテレビでトークする内容の中でも多いのが“奥さんの胸が好き”という話なのだ。
彼は奥さんを真ん中にして息子と彼が両端になり“川の字”で寝るのだが、内藤が左側から手を伸ばして奥さんのおっぱいを触っていると、誰かの手と手が触れた。ビックリして見てみると右側から息子がママのおっぱいに手を伸ばしていたというエピソードである。
内藤はこれを実に嬉しそうに話すのだが、同僚達と話す時もきっと同じような顔で話したに違いない。

これも、同僚の証言だが彼はチャンピオンになっても「普段通りの生活スタイル。彼の地元で会った時(プライベート)も変装する訳でもなく、お店に入ってきたお客さんに注目されたり、サインをねだられても嫌な顔せず対応していた」ということだ。いかにも内藤大助らしい話である。

ただ、彼の「住優師」としての仕事っぷりはボクシングのように連戦連勝とはいかなかったようで、上司の話では「住宅のエアコン清掃時をした際に、2台くらいエアコンをショートさせた事があった」という。結局エアコンの清掃代金がそのまま修理代となってしまった。

それでも、内藤の人柄によるのだろう、彼がボクシングをやるために、多くの人が力となってくれたのである。

「日本チャンピオンになる時から資金面をはじめ、社内からカンパを集めたり協力して貰ってきた」と兄はその頃の事を証言する。それに応えて内藤も「試合のガウンの左胸の部分に長谷工のロゴ」を入れているのだという。

内藤大助は2003年8月に「ボクシングに専念する」と言う事で長谷工を退社したのだが、「今でも長谷工内にはファンが多く、試合を観戦する仲間は黄色いTシャツを着て内藤選手を応援する」のだ。

長谷工住優師時代の内藤大助のエピソードを聞きながら気づいたことがある。それは当時ボクシングの試合で連戦連勝していた頃の内藤は「当時はあまりパンチを打たれる事もなく、試合の後でも顔が腫れたりして仕事に支障がきたす事もなかった」ということなのだ。
世界チャンピオンともなると試合も熾烈な内容となるからだろう、内藤の顔が腫れることも少なくないのだ。特に亀田興毅との試合では鼻が曲がってしまい、後に彼が出演した番組で「鉄の棒を鼻に入れて真っ直ぐに戻した」「あれは痛かった」と語ったことがある。

35歳で復帰して、さらなる活躍を期待したい内藤大助だが身体にも十分配慮して続けてもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)