writer : techinsight

ニコ動世論による電子書籍に関するアンケート発表 意外と紙書籍の人気が健在

ニワンゴが運営する、WEBサイト上で再生される動画に対しリアルタイムでコメントを付けられる「ニコニコ動画(9)」で、ニコ割アンケートを利用した「電子書籍について」の調査を2010年6月1日(火)19時30分に実施し、開始から約200秒間で63,108件の回答が寄せられた。

調査結果の概要は次のとおりだ。

デジタル化された出版物を購読できる電子書籍サービスを利用しているかについては、「利用していない」が79.9%、「利用している」が15.4%となった。また、「電子書籍サービスを知らない」は4.8%となった。

電子書籍を「利用していない」と回答した層の、電子書籍サービスを今後利用したいと思うかについては、「どちらともいえない(43.6%)」が一番多く、ついで「利用したくない(33.0%)」「利用したい(23.4%)」と続いた。
年代別では、「どちらともいえない」と回答した割合は、40代(48.0%)が一番多くなるなど、傾向にやや違いが見られた。

iPadなどタブレットPCで電子書籍サービスを利用している、または利用したいと答えた層でみると、「コミック(66.7%)」が一番多く、ついで「雑誌(62.6%)」「新聞(54.4%)」「辞書・辞典(40.5%)」となった。

電子書籍サービスは利用したくない、またどちらともいえないと答えた人に対して、その理由を聞いたところ「デジタルデータより紙の書籍がよい(57.3%)」が一番多く、ついで「無料でないと利用したくない(44.2%)」、「欲しいコンテンツが電子書籍化されていない(19.6%)」「電子、紙媒体に限らず書籍を読まない(5.7%)」となった。

ネット利用では先駆的な層ともいえるニコ動ユーザーの電子書籍への意識は、意外と保守的であるようだ。いわゆる文字データや写真・動画データならWebで無料で閲覧できるコンテンツがあるのに、わざわざ金を払って電子書籍を購入したくないというユーザーが少なくない。

電子書籍普及のカギは、コンテンツの価格と内容がどれだけユーザーに訴求力を持つかにかかっていると言えそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)