エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「熱いものが流れ出した…」神田沙也加が今だから語る、靱帯断裂の真実。

ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』(ホリプロ)は今年で30年目の公演となる人気ミュージカルだ。現在はウェンディを神田沙也加が演じているのだが、昨年は靱帯を切るという事故にあってしまったのである。今年はそのリベンジを…と気合の入る彼女が昨年の事故について重い口を開いた。

30年ほど前にホリプロの大御所、和田アキ子がニューヨークで同ミュージカルを見たことから「日本でやるべきだ」と社長にもちかけた。これがきっかけでブロードウェイミュージカル『ピーターパン』の日本公演が始まったのである。

初年1981年のピーターパンは榊原郁恵、ウェンディは香坂みゆきが演じている。そして2009年にその歴史あるミュージカルのウェンディ役に抜擢された神田沙也加。彼女は燃えていた。ところが不運にも8月初めの公演で階段を踏み外すという事故にあってしまう。

それから1年後、今年もそのミュージカル公演が7月19日より始まる。6月にテレビ「ごきげんよう」に出演した神田沙也加は「二度とケガをしない」という決意とともに昨年の事故がいかに辛かったかを振り返った。

一般に捻挫は「グキッ」っという感触があるものだが、彼女が本番中に階段を踏み外した時はそうではなかったという。靱帯が切れる感触だった。それは「ブチッとゴキッの間」だそうだ。「痛いよりも先に中で熱いものが流れ出すのがわかる」と彼女は実感を込めて話した。そして「私、立てないかもしれない」と思いながらも気力で立ち上がり、最後まで舞台を務め上げた。舞台が終わった時、沙也加の足は腫れあがって“象の足”のようになっていた。

その様子を聞いた司会の小堺一機は、舞台に立つとアドレナリンが出ていつもはやらない動きをしてしまうのでケガにつながりやすいと自らの経験を語った。

神田沙也加はケガももちろん痛かったが「本当に辛かったのはその後だ」と言う。彼女はその状態で以降の公演を降板するかどうか迷った。そして続けることに決めたのである。舞台裏の移動は車イスに乗った。ウェンディは子どもなので元気に走り回るのだが、セリフのテンションで動けない分を補うように台本も変えてもらった。帰宅しても家の中では手すりにつかまって這うように移動するしかない。「みんなに迷惑をかけて、私は何をやってるんだろう」とたまらなく悲しかったと語った。

昨年、そんな経験をした神田沙也加が共感したのが同じくゲスト出演していた歌手の加藤登紀子の話だった。

加藤は「コンサートは『狩り』」に似ていると言う。「チームを組んでトラック隊が行って、私達が乗り込んで行って幕が開いて…狩りなんですよこの感じが。聴衆の心を射て、そしてこちらも元気をもらう。ハートをハンティングするんです」との加藤の例えに神田沙也加は「その通りと思いますね。分かるな~」と感動しきりだ。

靱帯断裂の辛い経験と共に彼女は大切なものをつかんだようだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)