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全体最適のための部門最適とは?兼松エレクトロニクスの「Mono創り」ソリューション

会社の各部門でそれぞれ一番使いやすいようにシステムやそれを使う仕組みを開発することを「部門最適」と呼ぶ。
しかし、各部門で同じような作業が重複していたり、同じ「氏名」「住所」というデータ項目なのに、別々のコード番号を使って入力していたり、同じ作業なのに操作法が違っているということがある。
これを解消するのが「全体最適」という考え方で、会社全体でもっとも合理的なようにシステムを再設計することを指す。しかし、兼松エレクトロニクスが提唱する全体最適は、これとは大きく違う新コンセプトだ。

兼松エレクトロニクスの「Mono創り」ソリューションは、簡単にいえば、これまで培ったノウハウや知識をブラッシュアップしてさらなる「部門最適」を推し進めるということである。

コンセプトの一つは、日々培ってきたノウハウやナレッジをデータベース化し、製造業の現場で発生する情報を社内・プロジェクト内で蓄積して全体最適に寄与する「さらなる部門最適化」である。

チェック漏れや過去の不具合情報に基づく品質改善は、企業の最終的な利益確保に貢献し信頼性の向上に繋がる。

また、もう一つのコンセプトは部品情報の見える化である。製造業における部品情報は根幹をなす情報であるが、設計者、生産技術者が個々に有する非定型的な情報や非構造化データもデータベース化し、既存の仕組みを変更またはリプレースすることなく統合する仕組みである。

これまで各々の部門内では情報共有がされていても、部門間を越えて部品情報が参照できる仕組みの構築は、多大な時間と費用を要してきた。これらの課題を解決するのが同社の新コンセプトである。

「全体最適で生産性向上を図りましょう」というSIベンダーの提案を採用してみたものの、機械やシステムのリプレースのみで終わってしまい、依然として部門別の都合が優先されているという例も多い。

そこで発想を転換して、現在のシステムをさらに先鋭化させていって、本来ならあり得ないはずの「部門最適の積み重ねによる全体最適」を、より高度な次元で実現しようというものだ。

同社では、この新コンセプト「Mono創り」全体最適ソリューション発表セミナーを2010年3月12日  兼松エレクトロニクス株式会社本館5階セミナールームで実施する。

全体最適に取り組んだけれども、うまくいっていないという企業にとっては、興味深いセミナーと言えるだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)