writer : maki

【どっちが勝ち組ショー!】龍馬伝VS竜馬がゆく(市川染五郎版)キャスト対決。

大河ドラマ「龍馬伝」は、第5回「黒船と剣」で情勢にも変化が出てきた。一方、この2月には二月花形歌舞伎(博多座)で歌舞伎「竜馬がゆく」の公演が行われている。主演の市川染五郎は以前にもドラマ「竜馬がゆく」で主役を務めたことがあるのだ。今回は「龍馬伝」とこのドラマ「竜馬がゆく」の豪華キャスト陣に対決してもらおう。

市川染五郎が竜馬を演じたドラマは2003年の正月番組として放映された。「テレビ東京開局40周年記念~竜馬がゆく~」がそれである。「龍馬伝」は大河ドラマで連続長編なのに対してこちらはスペシャル企画で2日間、9時間のドラマだった。7年前当時のベストメンバーともいえる豪華キャストは話題となったものだ。

同じ、坂本竜馬の物語ではあるが「竜馬がゆく」はその名の通り司馬遼太郎の原作にほぼ忠実に物語が展開する。一方「龍馬伝」は脚本家・福田靖が原作を元にかなりアレンジしたものだ。岩崎弥太郎をより主軸においたストーリー展開となっているのが特徴である。そのため、龍馬を想う平井加尾などのように登場人物も若干違っている。

その点を踏まえて双方のキャストを比較してみよう。
     
       龍馬伝 / 竜馬がゆく
坂本龍馬  :福山雅治/市川染五郎   
岩崎弥太郎 :香川照之/該当なし
武市半平太 :大森南朋/沢村一樹
岡田以蔵  :佐藤健/高杉端穂
千葉重太郎 :渡辺いっけい/的場浩司
寝待ノ藤兵衛:該当なし/渡辺いっけい
勝海舟   :武田鉄矢/柄本明
坂本八平  :児玉清/橋爪功
溝渕広之丞 :ピエール瀧/該当なし
平井収二郎 :宮迫博之/該当なし
中岡慎太郎 :上川隆也/山田純大
吉田東洋  :田中泯/萩原流行
桂小五郎  :谷原章介/原田龍二
西郷吉之助 :高橋克実/髙嶋政宏

千葉佐那  :貫地谷しほり/前田愛
おりょう  :真木よう子/内山理名
平井加尾  :広末涼子/該当なし
お田鶴 :該当なし/井川遥
お登勢   :未定 / 若村麻由美
坂本乙女  :寺島しのぶ/室井滋
大浦お慶  :未定/松たか子      
武市富子  :奥貫薫/松本紀保
坂本春猪  :前田敦子/藤本美貴

全てを網羅しているわけではないが、このような顔ぶれとなる。

主役の竜馬は福山も染五郎もかなり、オリジナルを追及している。染五郎の竜馬が威勢の良い、活発な竜馬を表現しようとしているのに対して、福山は「竜馬がゆく」で一般にイメージされる龍馬よりもソフト感を出そうとしているようだ。他のキャストに目を向けると、武市半平太は大森南朋が策謀化で暗いイメージを出すのに成功している。渡辺いっけいが剣術家と、盗賊という全く違った役で登場しているのも面白い。

それぞれに個性派がそろい、いい味をだしているのだが、個人的には「竜馬がゆく」で吉田東洋を演じた、萩原流行は秀逸だった。原作の吉田東洋が生きていたらこのような感じかと思われる演技を見せていた。もっとも、「龍馬伝」の田中泯も登場したばかりなのでこれからが楽しみだ。

女性陣ではやはり千葉佐那を演じる貫地谷しほりの評価は高い。こちらも龍馬を思い続けて生涯独身を通したといわれる佐那子という人物はこのような感じだっただろうと思わせてくれる。

問題は「竜馬がゆく」で話題だった、ヒロイン。井川遥、内山理名、若村麻由美、松たか子、室井滋に対する「龍馬伝」側だ。寺島しのぶは、室井といい勝負だといえるだろう。井川遥のお田鶴様に該当する役はいないのだが、土佐でのヒロインということになると平井加尾の広末涼子が近い存在なのだ。現在のところではお田鶴様を超える場面は見られないが、これは、設定が違うので仕方ない部分ではある。

この後登場する、おりょうの真木よう子や、まだキャストが明かされていない、お登勢、大浦お慶が期待される。なにしろ、「竜馬がゆく」では内山理名、若村麻由美、松たか子らがかなりの名演を残しているのだ。

と、ここまでは、「竜馬がゆく」に分があるようだが、実は現段階では「龍馬伝」の方が評価できるのではないだろうか。まだ、始まったばかりではあるが、岩崎弥太郎の香川照之、武市半平太の大森南朋、坂本八平の児玉清、そして千葉佐那の貫地谷しほり。このキャストはかなり評価が高い。

従って、この勝負は「龍馬伝」の勝ちとさせてもらおう。久しぶりの判定であるが、いつものように全くの編集部の独断なのでご了承いただきたい。今回の内容を参考に「龍馬伝」をより楽しんでいただければ幸いである。
(TechinsightJapan 編集部 真紀和泉)