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【名盤クロニクル】ビリー・ジョエル「ストレンジャー」

2010年1月25日 13:37

(画像提供:Amazon.co.jp)

LPからCDへそしてダウンロードオーディオへと時代が移り変わるに従って、アルバムの曲順というものはそれほど意味を持たなくなった。しかしLPの時代において、優れた名盤であることの条件はいい曲が入っているとか、アーティストがノっているとかいうだけではなく、曲順を慎重に検討することで、アルバム全体をひとつの小説のように聴かせることが重要であった。
そんな時代に、アルバム全体でニューヨークの大都会に佇む孤独を表現しながら、名曲も盛りだくさんという奇跡的名盤のひとつが、ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」である。




この作品は、アメリカと日本では受け取られかたが少々違うようだ。アルバム発表年である1977年は日本では初期ディスコブームの渦中であり、タイトル曲である2曲目「ストレンジャー」が大ヒットした。

しかし、この曲はどう頑張っても踊り向きの曲ではないのだが、とにかく洋楽がカッコよかった時代であるから、ちょっと流行ればすぐに無理して踊った。

当時ディスコで踊られていた曲は、ほかにEW&Fの「宇宙のファンタジー」、ABBAの「ダンシング・クイーン」などがあるが、今の耳で聴けば「どうやって踊るの?」と首をかしげたくなる曲ばかりである。とは言え、人類発祥の太古から音楽と踊りは一体不可分であるので、良い曲を聴けば工夫して踊ったのである。

本アルバムのコンセプトは、「ストレンジャー」のイントロとアウトロに流れ、最終曲「Everybody has a dream」のラストにも流れる悲しげなピアノと口笛のインスト曲である。大都会の孤独と、そこに住む人々の日常がテーマなのである。

ビリーの代表曲という意味では、名曲「素顔のままで」をイチオシするべきであろう。ジャズサックスの名手フィル・ウッズの練達のプレイが、曲に締まりを与えている、多くのシンガーに歌い継がれているだけあって、秀逸だ。

余談だが、別アルバム「ニューヨーク52番街」でも、ジャズトランペットの名手フレディ・ハバードをゲストに迎えており、ジャズとの接点も多い。

それまでの吟遊詩人的なイメージから脱却して、都会派ロックへと変身したビリーの永遠の名盤である。

(収録曲)
1. ムーヴィン・アウト
2. ストレンジャー
3. 素顔のままで
4. イタリアン・レストランで
5. ウィーン
6. 若死にするのは善人だけ
7. シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン
8. 最初が肝心
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)


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