writer : techinsight

【ドラマの女王】私生活ルンルンで、もはや小悪魔でも女子高生でも無い。精彩を欠く吉高由里子。『東京DOGS』

今回の【ドラマの女王】は、小栗旬主演『東京DOGS』(フジテレビ系)。小栗旬と水嶋ヒロ主演で今クール話題を独占してきたこのドラマは、なんとか平均15%程度の視聴率をキープしている。しかし、『ヴォイス~命なき者の声~』(瑛太主演)と大して変わらないところを見ると、意気込んで宣伝した分、フジテレビとしてもかなり期待はずれな結果だったに違いない。人気に火が付かない原因はいくつかあるが、そのひとつに、アノ女優の私生活が大きく影響している。

アメリカのエリート警察官・高倉奏(小栗旬)と、元暴走族のヘッドで今は敏腕刑事の工藤マルオ(水嶋ヒロ)の“イケてる二人”がタッグを組んで、記憶喪失で何も覚えていない事件のカギを握る少女・松永由岐(吉高由里子)を守り、国際麻薬組織のリーダーを追い詰める、というのが大まかなストーリー。
今時マンガでもこんな安っぽい設定は無いくらいベタな展開に、小栗のギャグすべりや、水嶋の似合わないヒゲ、そして何と言っても、二人をはさんでビミョウな三角関係にあるヒロイン由岐を演じる吉高由里子の「不思議ちゃんじゃないぶり」も、視聴者をがっかりさせた。

人気沸騰中の小栗と水嶋に絡める女性キャストとして白羽の矢が立った吉高由里子は、『あしたの、喜多善男』(小日向文世主演)、『太陽と海の教室』(織田裕二主演)、『白い春』(阿部寛主演)とフジテレビ系のドラマには多く出演していて、今年は、主演映画『蛇にピアス』(蜷川幸雄監督)でヌードも披露した実力派。「神秘的な不思議系少女」がハマリ役で2006年のデビュー以来、彼女は一貫して小悪魔や心に闇を抱える少女を演じてきた。今年初旬のドラマ『ラブシャッフル』(TBS系)では、それがいかんなく発揮されている。そしてその『ラブシャッフル』の脚本を書いた“女優キラー”野島伸司に狙われるも、彼女が選んだ相手はドラマ主演俳優の玉木宏。この出会いが、“不思議ちゃん”吉高由里子の女優生命を危うくしているのだ。

玉木と吉高は、今やラブラブらしい。最近の吉高由里子はすっかり頬はバラ色、笑顔もナチュラルな「恋する乙女」に変わってしまった。この緊張感の無さが、本来スリリングで複雑なはずドラマに出てしまい、吉高とモデルの臼田あさ美が並んでいると、ガールズトークが飛び出しそう。本来バリバリの刑事モノである『東京DOGS』がただのラブコメに見えてしまう。元恋人が犯罪組織のリーダーで、記憶喪失中に好きになった刑事(小栗)との間で揺れる純情なヒロイン・由岐。それはそれでカワイイけど物足らない。とくに男性は吉高に「不二子ちゃん」みたいなしたたかな女性キャラを演じてほしいのではないか。

もはや“小悪魔”でも“危うい女子高生”でも無い吉高由里子では、「不思議ちゃん好き」の視聴者を取り込めないのである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)