エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】仕掛け人が泣いた。どっきりを超越したナイツのコンビ愛。

テレビのどっきり番組でお笑いコンビのナイツが餌食になった。正確には塙宣之が相方の土屋伸之にどっきりを仕掛けたものだ。しかし、そのあまりにドラマティックな内容に関係者全員が涙する結末となったのである。

12月4日放送された「お笑い芸人どっきり王座決定戦」でのことだ。
M-12008で優勝争いに残りその後ブレイクしたお笑いコンビのナイツ(マセキ芸能社)もどっきりを仕掛けられた。

その内容はこうだ。
最近なぜか最近、対応が冷たい塙に対して土屋が解散を持ちかける。
しかし、これはどっきりのためのどっきりだったのだ。
つまり土屋が嘘で塙に解散を持ちかけたのである。
だが、実は逆どっきりが仕掛けられていた。
塙は怒り、解散の話しはそのままに部屋を出て行った。
そして、二人はそのまま営業の宴会場へと向かうのであった。
宴会場には仕込まれた浴衣姿の観客が酒を飲みながら見ている。

漫才を始めたナイツだが、土屋は解散を持ちかけて塙を怒らせたままの状態で舞台にたっているのだ。
その表情は暗く、土のような色をしていた。
塙がいつもの調子で話し出したが土屋のつっこみは元気が無い。
すると塙が突然話題を変えたのである。
「実は、さっき相方から解散をもちかけられたんですよ。」
土屋にしてみれば意外な展開である。
そして塙はナイツのデビュー当時からの苦労話を始めた。
「結成してすぐの頃です。俺が交通事故で大腿骨を真っ二つに割る怪我をして3ヶ月くらい動けない時」
「就職活動しているのをお笑いに誘ったのは俺のほうなのに。こいつは、毎日遠いのに見舞いに来てくれました。」
土屋はそんな話をし始めた塙に驚いていた。
だが、塙はさらに続けるのだった。
「頑張っても頑張っても芽が出ない時。レッドカーペットという番組で賞を取った時です」
「こいつがレッドカーペット賞をとたんだからパーッといこうというんで、調子にのるなと怒ったんです」
「そしたら、その後すぐメールが来て・・・まだそのメール取ってるんですよ」
といって塙はそのメールを見せた。

『さっきはすみません。僕はいつまでも塙さんのボケは世界一だとおもっています。これからもよろしくお願いします』
という内容だった。
このあたりで、すでに土屋は泣き顔になっており、なんと仕込まれていた観客もみんな泣いていたのだ。
そして、どっきりを仕掛けている塙自身も涙をためていた。
最後には土屋が「ごめんなさい」と塙に抱きつくところでどっきりが終了。
仕掛け人のブラックマヨネーズがネタばらしで登場したが、その目は涙でいっぱいだった。

泣いていたのはどっきりのVTRを見た、スタジオの司会者今田耕治や東野幸治そして芸人たち、審査員と全員が泣いていたのだ。
今田は
「どっきりを超えたね」
「ひな壇のコンビ芸人はみんな手を握り合ってるちゃうの」
と言っていた。

結果この日の最優秀どっきり賞には「ナイツ」が選ばれた。
塙は受賞後に
「ロケの後、M-1の2回戦があったんですけど、少し泣きそうになりました。泣き癖がついてしまいそうです」
「好感度上がりすぎたらいけないので、ちょっと好感度下げていいですか?」
と言うと、ノンスタイル井上のイキリポーズをしてみせた。
この状況で最後に落ちをつくるあたりにナイツの実力を感じる。

正直、どっきり系の番組はこのところやり過ぎたところがあると感じていた。
しかし、こうしたドラマも生まれるのである。
他の芸人にも今回のナイツ塙のようにどっきりでも感動させる芸を見せてほしいものだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)