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「テレビ会議/Web会議/音声会議のビジネス利用実態」調査結果を発表 シード・プランニング

テレビ会議やネット会議の歴史は古い。かつてグループウェアが会社の生産性を向上すると言われていた頃、その代表的な機能としてネット会議機能の実装が喧伝されていたし、テレビ会議についても1994年の阪神・淡路大震災以降、危機管理の一貫として導入が検討され始めていた。
そして、現在、深刻な経済危機を踏まえた出張経費節減と、新型インフル等におけるBCP(事業継続計画)の一環として、テレビ会議/Web会議の導入が真剣に検討され始めている。

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニングは、このほど、日頃テレビ会議を利用しているビジネスマンを対象にテレビ会議/Web会議の利用実態を調査し、その結果を、調査研究レポートとして発刊した。

このほど実際にテレビ会議/Web会議/音声会議を利用しているビジネスマンにネットアンケートを行い、515人の有効回答について導入状況、接続拠点、利用状況、評価、利用したい端末、今後の改善点、データ共有等のコラボレーション等について調査分析を行った。

本調査によれば、テレビ会議/Web会議システム/音声会議をあわせたテレビ会議システム全体の利用ユーザーの総合評価では「非常に満足」と「満足」を併せて68%のユーザーが満足している。この数字は2004年調査時の64%から4ポイントの増加となっている。逆に不満を有しているユーザー(「不満」と「やや不満」の合計)は32%で2004年調査の36%から減少した。

テレビ会議の導入理由では「経費節減」が64%と最も多く、次いで「移動時間の節約」「業務効率化」と業務の効率化関係が目的の上位である。2004年との比較でも、「経費節減」は増加している。このような状況を踏まえて、テレビ会議の利用時間は2010年度調査では「約1時間」が44%で一番多く、全体の81%が1時間以内で会議が終わっている。

調査レポートの概要は、「テレビ会議/Web会議/音声会議のビジネス利用実態調査 2010」として、168,000円(本体160,000円、消費税8,000円)で販売されている。

余談であるが、テレビ会議/Web会議のデメリットを挙げるならば、普段全国に散らばっている会社の仲間が東京に集まって、会議が終わったら新宿で打ち上げという「お楽しみ」がなくなることの味気なさであろう。効率性は美徳であるが、あらゆる物事を効率的にした結果の士気低下防止も考慮していく必要があるだろう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)