writer : techinsight

【ドラマの女王】まさにタイムリー「傍聴マニア09」。裁判傍聴ってオモシロイの?

裁判員制度が始まり、芸能人薬物事件の裁判、そして殺人事件の冤罪など、今、裁判が世間で注目を集めている。10月26日の酒井法子被告の初公判には、雨の中、老若男女6615人が傍聴席わずか20席を求めて集まり、過去最高の約330倍という倍率となった。これだけ裁判に関心が集まっている時期に始まったのが、まさにその裁判を傍聴するドラマ「傍聴マニア09 ~裁判長!ここは懲役4年でどうすか~」(読売テレビ・木曜日夜11:58~)。実にタイムリーである。

主演は向井理。9クール連続でドラマ出演中の引っ張りだこの彼。初主演はゴールデンタイムの連続ドラマだと想像していたのだが、意外にも深夜枠のこのドラマであった。向井理は顔にクセがないので、いろいろな役を演じられるのではないだろうか。また、どのドラマにも彼に適した役があり、それが連続出演にも繋がっているようにも思う。「バンビーノ!」では新人シェフにちょっとなめられている、どこか頼りないシェフ、「ハチミツとクローバー」では年上の女性を一途に想う美大生、他にも「のだめカンタービレ」、「メイちゃんの執事」など人気ドラマに多く出演している。そして今回は、裁判傍聴権を獲得するアルバイトに来て、かわいい女の子に釣られて裁判を傍聴することになる、あまり意志が感じられないフリーター・北 森夫役。

主な共演者は、六角精児と南明奈。
「オルトロスの犬」での出演が記憶に新しい六角精児は、向井と逆にルックスにクセがある俳優。今回は主人公に傍聴についてあれこれ教える熱烈な傍聴オタク役である。

また南明奈は検事を目指して、裁判を頻繁に傍聴している学生という役どころ。「ヘキサゴンII」で、予選クイズの成績がいつも最下位に近いアッキーナ。正直、この役はバラエティのイメージが強く、心配ではあるのだが、アッキーナの演技力の見せ所と言えよう。「シバトラ」での婦人警官スタイルのように今回は制服はないようだが、ミニスカートが好きという設定なので、きれいな脚が毎回見られるのだろう。「グラビア・アイドル、アッキーナ」の男性ファンも楽しみなところだ。

ストーリーは、初回を観る限りでは、やはり裁判のシーンがメインとなるようだ。だが、ただ裁判を淡々と見せるだけでなく、いきなり裁判の被告や証人らがフリーズして、傍聴している向井、六角、アッキーナが法廷内に乱入。感想や文句などを言いまくるシーンもある。実際の法廷では私語は禁止なので、心の中の声を映像化した感じである。また、被告や証人の表(裁判中)裏(裁判前後)の顔の違いを露呈することで、人間模様を見せている。

実際の裁判とは違う旨、断り書きが出るが、裁判に触れる入門としてはタイムリーなドラマである。主人公が裁判傍聴初心者なので、主人公と一緒に学べることもある。深夜枠ならではなのか、今のところちょっとエッチな事件をとりあげているが、いきなり難しい事件をとりあげるよりも序盤としてはいいかもしれない。主演の向井理は自身のブログで「『傍聴マニア』は裁判モノとはいえ傍聴する側なので、ある意味他人事です。だからリアルに描いてもコメディ要素を盛り込める作品になっていると思ってます」と記載している。このドラマをきっかけに、今後、本物の傍聴マニアが増えることになるかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)