アジア発!Breaking News

writer : techinsight

【アジア発!Breaking News】6年間に20回以上、名前を変えた女詐欺師(タイ)

6年もの間、タイ東北部の各地において詐欺行為をはたらいてきた女(36)が、4日、バンコクにて逮捕された。女は人々から金を騙し取るたびに、名前や顔を変え続けた。国が発行する身分証を、偽の新たな名前や顔写真で再発行した回数は23回にもおよぶという。

女の詐欺の手口は次のとおりである。

女は、西洋人パイロットの主人を亡くした未亡人として自己を演出する。そして、「銀行には主人の遺産1億ドルがあるが、それをおろすためには手続きが必要となっている。その手続きには10万バーツ(日本円:約28万円)の諸費用がかかるのだが、今手元にお金がないために困っている。そこで、手続きを済ませて銀行から無事お金を引き出すことが出来たならば、100万バーツにして返すので、一時的に10万バーツを貸して欲しい」ともちかけるのである。

こうした話をもちかけて、人々からお金を騙し取っては、女は姿をくらました。そして、役所にて身分証紛失を理由として再発行を行い(タイ国民は、国民総背番号の身分証を常に携帯しなくてはならないため)、別人になるのである。時には、整形もしたという。

女が偽の身分証を再発行した回数は、6年間で23回。また、タイ人たちは通常、本名ではなくあだ名でお互いを呼び合うのだが、女があだ名を変えたのは100回以上にもなるという。

人々から騙し取った総額は3,000万バーツ(日本円:約8,400万円)以上になり、そのお金で女は、コーンケン県に豪邸を建ててタイ人の旦那と住み、豪華な暮らしをしていたという。

しかしそんな女の生活は、所用のため訪れたバンコクにて警察に逮捕されたことで、ピリオドを迎えたのである。

23回も詐欺行為をはたらいてきた女。金を騙し取られた人々の心中は当然穏やかではないであろうが、人々を信じさせる女の口車と演技力は相当なものなのだろう。それにしても、偽の身分証が簡単に再発行できてしまう役所の仕組みは不思議である。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)