writer : techinsight

【ドラマの女王】”最初からこれくらい面白ければ”。ラスト間近。ガゼン盛り上がるNHK朝ドラ『つばさ』。

今回の【ドラマの女王】は、いよいよラスト月、NHK朝の連続テレビ小説『つばさ』。低視聴率は毎度の事として、昨年の前半『瞳』、(榮倉奈々主演)に比べるとイマイチ面白くないストーリーだった前半戦。ハシビロコウみたいな顔した多部未華子が、地味で「ハジケもしない」20才のおかんを演じ、“戦犯”の母(高畑淳子)やら、コロンボ父(中村梅雀)のドタバタを、毎日(ガマンして)見てきたところ、終わり近くなってようやく見れるドラマになってきた。

24時間テレビ・イモトのマラソンに合わせて万里(吉田桂子)が走ったり、真瀬(宅間孝行)がつばさ(多部未華子)を愛し始めたり、どうにも掴みきれない展開を見せるつばさ。(サザエさんは声だけなのね。)ラジオ・ぽてとのある「川越キネマ」を買収して、自身の観光物産館(川越の?)を作ろうとういう企業家の老女・城之内房子(冨士眞奈美)の陰謀によって、ケチケチ主婦の伸子(松本明子)が引き抜かれ、ベッカム一郎(川島明・麒麟)とコンビを再結成するため、ロナウ二郎(脇知弘)もぽてとを去る。そして、いつもギターを奏でていた浪岡ROLLY(ローリー)も、余命いくばくもない茶道家の父・葛城(山本學)の元へ帰り、つばさの祖母・千代も(吉行和子)それがきっかけで家を出る。

仲間や家族が去り、城之内の強引な買収作戦により、窮地にたたされたラジオぽてと。つばさは少ない人数で番組を回し、なんとか「川越キネマ」を守ろうとするのだが・・・・。

英国小説「クリスマス・キャロル」の主人公よろしく、冷酷無慈悲のエゴイスト、守銭奴で、人間の心の暖かみや愛情などとは、まったく無縁の日々を送っている初老の商人・城之内房子を演じる冨士眞奈美。この人と、千代役の吉行和子は実は大親友。故・岸田今日子さんを加えてトリオで旅行番組もやっていた。冨士さん投入により、メリハリのなかった『つばさ』が急に面白くなる。特に、17日の放送分は絶品だった。

玉木家にやって来た城之内が、家族と鍋をつつき酒を飲み、ハーモニカを聞いて歌ってくれたこの家の長男知秋(冨浦智嗣)に涙しつつも、「川越キネマは譲らない。」とつばさに詰め寄る。家族のいない孤独な城之内にとって、「観光物産館」を作ることは彼女の生きてきた証でもあるのでそう簡単には引き下がれない。冨士は、城之内の意地を張る心情や、一人で老いていく寂しさ、本当は家族が欲しい感情をたった15分に上手く凝縮。さすが、大大大女優、70歳くらいなのにみんなより体も大きく見える。

「ぽてと最大のピンチ」を、つばさはどう切り抜けるのか?
一部報道で、多部の白無垢姿が披露されたが、その相手は一体誰なのか。それもすごく気になる。できれば、翔太(小柳友)であって欲しいが、真瀬(宅間孝行)の線も捨て切れない。もう、よそ見もガマンもしないでラストまで毎朝、『つばさ』見るしかない記者なのである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)