writer : techinsight

【ドラマの女王】橋田ドラマに"ありえない"。まさかのアノ場面 「となりの芝生」

橋田壽賀子ドラマ「となりの芝生」。「渡る世間は鬼ばかり」の”幸楽”では姑に苦労させられていた泉ピン子がこのドラマでは、嫁の瀬戸朝香に”ああ言えばこう言う”一筋縄でいかない姑を演じている。1976年と1989年放映のリメイク版であり、「嫁姑問題」という古くからありがちなテーマで目新しさや新鮮さはないが、裏番組にドラマがあるにも関わらず9回までの視聴率平均が9.63%と健闘中だ。そして前回(第10回)ラストには”まさか”のシーンが飛び出した。

このドラマは、登場人物に感情移入しやすく、話を理解するのに頭を悩ませることなく気軽に見られるのがいい。江口洋介のように名救命医として活躍することも、タッキーのように手で触れただけで他人の病気や怪我を治すことも、なかなかできることではないが、このドラマでは自分の立場に近い登場人物に自己投影しながら見ることができる。

ただ、家族と一緒に見るときは要注意。登場人物を批判しようものなら、うっかり家族への批判になりかねない。逆に「オレはこんなにひどくない」と自分と比べたり、「うちはこんな旦那じゃなくて良かったわ」と胸をなでおろすこともあるかもしれない。子供が少ない現代なので、姑との同居は誰にとっても身近なことであり、実際に嫁姑問題で頭を抱えたり、将来、起こりうるかも…と切実な関心を持っている人も多いのかもしれない。

ストーリーは、毎回そんなに大きな展開があるわけではない。毎回、姑は嫁に嫌味を言って息子をかばい、夫は妻の言うことに耳を傾けず母を持ち上げ、妻は姑の嫌味に耐え、夫の冷たい言動に心を痛めている。こういった日常の淡々とした話だと、このドラマには終わりがあるのだろうか、「渡鬼」のように長期戦になるのかと心配していたら、前回ラストに橋田ドラマには「ありえない」と思っていたベッドシーンが! しかもベッドインしていたのは夫(大倉孝二)と、妻の友達(三浦理恵子)という2人である。夫が不倫しただけでもショックなのに、相手が友達では妻のショックは計り知れないだろう。「渡鬼」をずっと見ていたせいか、橋田壽賀子のホームドラマと言えば「安心・健全」の王道を行くものだと思っていたのだが・・・。この橋田ドラマ的に”衝撃”のシーンで、ストーリーは急展開を迎えそうだ。

ところで、1989年版は主役の夫婦が長山藍子と前田吟(「渡鬼」の弥生夫婦)、子供が吉村涼(五月の子供・愛ちゃん)、姑が赤木春恵(五月の姑)、妻の友達が東てる美(五月の小姑)という、まるで「渡鬼」かというようなメンバーが主要な役で出演していたらしい。こちらにもこの衝撃シーンはあったのだろうか。

こんなシーンが飛び出したのでは、橋田ドラマとは言っても、うかうかと見ていられない。なんでもアリといったところだ。これからまた仰天のシーンが飛び出すのか、今後の展開をじっと見守りたい。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)