writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】キングオブコント2009 最速反省会

 キングオブコント2009が終了した。熱戦を制したのは東京03、プロダクション人力舎所属のトリオである。

 決戦前の個人的な予想としては、サンドウィッチマン(フラットファイヴ)の圧勝であった。ネタのおもしろさ、賞レース向けの仕上げ方、もろもろの要素をかんがみての上である。そこに絡んできそうだと思ったのがインパルス(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)と東京03。しかしインパルスはやや通向けの嫌いがあり、03は賞を取るには地味だと感じていた。

 それがどうしてどうして。1本目は地に足のついた安定感のある03らしいネタが高評価を得て、トップバッターながら835点で2位という結果に。2本目は勢いのあるコントを見せたしずるの後で順番的に損かとも思ったが、飯塚のキレツッコミがそれを強引にねじ伏せた。結果、決勝ラウンドで行われた16本のネタ中、唯一の900点台を叩き出しての優勝。結成6年目にしてやっと日の光を浴びることができた。

 03以外の出場者もそれぞれに持ち味を生かしたいいコントを披露していた。サンドは惜しくも2位に甘んじてしまったが、その実力を改めて知らしめたように思う。

 サンド好きである私にとっては2本ともなじみのネタであったがそれでも十分におもしろく、2本目に関しては時間が過ぎるのが驚くほど早かった。余談ではあるが、2本目で伊達が着ていたのは東北楽天ゴールデンイーグルスの非公認マスコットであるMr.カラスコのもの。これだけで地元民としては非常に嬉しかった。

 異彩を放っていたのがインパルス。1本目の舞台を広く使って見せる手法はさすがであり、私自身がいかにテレビサイズのコントに慣れていたか気づかされた。そしてあの2本目。個人的には16本のネタの中で最高だった。インパルス独特の世界が会場を満たし、オリジナリティがキャッチーさを凌駕した瞬間を見た気がする。

 大会としての出来もそれほど悪くはなかった。審査員である芸人たち、会場の観客の熱がほぼ減衰することなく、ブラウン管の向こうにいる視聴者に伝わったのではないかと思う。2年目のこなれ感に満ちており、ショウとしての完成度は昨年とは比べものにならない。

 ただ、中盤間近で明らかに時間が押しているのが見えてしまったのが残念。MCを務めていたダウンタウンが審査員として会場につめかけた芸人たちに感想を聞くことが何度かあったのだが、その機会をもう少し増やしてあげてもいいのではないかと感じた。素人考えで申し訳ないが、オープニングや合間合間のVTRを省き、その分実のある笑いに費やしても損はしないのではないだろうか。

 大会を通してもっとも得をした芸人は、D・N・A(所属不明)だと思われる。『誰か分からん子』に感想聞いてみるという浜田の思いつきで白羽の矢を立てられた芸人だ。結果全国ネットの生放送で大々的にスベったのだが、それが功を奏して都合3度もふられていた。無名芸人としてはこれほどおいしいことはあるまい。

 なにはともあれ、2年目のキングオブコントは無事終了。東京03は今後メジャーの舞台に上ってくるのだろうか。バッファロー吾郎・木村から“オモシロクナール”を分けてもらうといいかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)