writer : techinsight

【ドラマの女王】今となっては“過去”の栄光。プレイバック『クニミツの政』。

今回の【ドラマの女王】は、プレイバック企画『クニミツの政』。今となっては過去の栄光になってしまった押尾学主演の“男気溢れる”痛快“世直しコメディ”。酒井法子よりも、一足先に釈放され、一応真摯に頭は下げたものの、その後どこかへ消えてしまった押尾学。彼を支援するフィクサーとされる人物が、押尾をモチーフとしたパチンコ台を企画していたというが、実現していたら絶対このドラマが使われていたはず、CR『クニミツの政』は幻の台になった・・・・・。

押尾学と酒井法子のパチンコ台をシュミレーション。の記事を書いた時、今から6年前の夏クールにフジテレビ系で放送されていた押尾学主演のドラマ『クニミツの政』を知らない、(又は忘れちゃった。)という人が意外と多い事を知ったので、次回の【クリたまTVウォッチ!】パチンコ・シュミレーションの記事の為に、このドラマをおさらいする事にした。

不良ヤンキーであった武藤国光(押尾学)は、ひょんな事件をきっかけに政治に目覚め、師匠である代議士の命令で、候補者の秘書として市長選挙を争う物語。国光の持つ天性の強運、カリスマ性と仲間の知恵を合わせて、強敵と戦っていく。

「週刊少年マガジン」連載の、安童夕馬原作、朝基まさし作画のコンビ初期作品『サイコメトラーEIJI』のスピンオフ作品からスタートした原作のドラマ化。現代の若者を取り巻く“闇”をショッキングに描くこの強力タッグの作品は人気が高く、現在は、昨年ドラマ化された『シバトラ』に引き継がれる。

「週マガ」においての安童、朝基作品は、大体ドラマ化されるので、どうも最初から人気タレントをイメージしてキャラクター作られているように思えてならないのだが、『サイコメトラーEIJI』の明日真映児役は、TOKIOの長瀬智也をイメージして作られ、実際は松岡昌宏(TOKIO)が演じ、『シバトラ』の柴田竹虎は、櫻井翔(嵐)のイメージで実際は小池徹平主演といった、記者的にワンランク「格オチ」するのが特徴。『クニミツの政』の武藤国光も、どう考えても当時の松岡昌宏(TOKIO)にソックリだったが、なぜか押尾学が演じることに。
しかし、クニミツが偽者の教師として活躍する「小学校編」に絞り、さわやかないいドラマに仕上がった。当時の生徒役には、大川翔太、有岡大貴(現・Hey! Say! JUMP)、塚本璃子(現・成海璃子)などがいて豪華。クニミツをとりまく女優陣(伊東美咲、吉岡美、穂横山めぐみ)も華やかなキャストだった。作者は違うが、演出スタッフはほぼ一緒の同じ関西テレビのヒット作『GTO』(反町隆史:主演)に継ぐ作品としてはまあまあな出来だと思う。

『クニミツの政』は小学生をはじめとして話題になり、その時の押尾学の好感度はググググーンと上がった。その後、元妻の矢田亜希子と共演した「夢で逢いましょう」以外、大した仕事をしていないので、まぎれまもなく彼の代表作と言えよう。

しかしながら、「政治を変える!」と銘打って主人公が活躍する“痛快”世直しコメディ”に主演した俳優が、クスリで逮捕されるなんてなんとも情けない話である。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)