writer : maki

【どっちが勝ち組でショー】KREVA VS GACKT  自己主張対決!

ヒップホップミュージシャンのKREVA(以下クレバ)は9月8日にアルバム「心臓」をリリースした。
リリース前にはクレバがテレビ、ラジオなどメディアに出演して新アルバムをアピールしていたが、相変わらず自信満々で「これがある意味俺のベストだから」と言い切っていた。
記者はそんなクレバを見聞きしながらふとGACKT(以下ガクト)のことが頭に浮かんだ。
ガクトはクレバとはカラーが違うが絶対の自信を感じさせる姿勢はクレバと似ていると思ったのだ。
そこで、今回はクレバとガクトの対決を見てみることにした。

クレバは人気ヒップホップグループのKICK THE CAN CREWのMCとして活躍していた。グループの曲の要素などはほとんど彼によるもので中心的存在だったのだ。
2002年にKICK THE CAN CREWが活動を休止して、クレバは「新人クレバ」としてソロでデビューした。
このあたりからも自己主張が強い性格が垣間見られる。
彼のライブでのパフォーマンスはヒップホップを盛り込んだショーとして構成されており、ヒップホップを歌い、タオルを振り回して観客と盛り上がるという一般的なスタイルを越えている。

クレバが
「他の奴らにはできないこと見せてやる」
「フローって何だ?フローは誰だ?フローはクレバだ!」
(フロー:flow、ラッパーの歌い方、歌いまわしのこと)
などとライブで観客に叫ぶことがある。
あまりに自信過剰ではとも感じるが内容が伴っているので納得してしまうのだ。
「あんまり無理して乗らなくていいよー、座って聞いてー」などといって余裕を見せる時もある。

今回9月8日に発売されたアルバム「心臓」はクレバの日「9.8」に出すだけあり彼の全てを表現しているという。
「ある意味、今の俺のベストアルバム」
「これでだめならもう何も無い」
「今からクレバを聴こうと思ってるならこれを聴いて」
とアピールしていた。

一方のガクトはカラーがクレバとはかなり違うが自信家である点では同類ともいえるだろう。

ガクトの場合、イメージは物静かだがタフ・力強い・危険といったオーラを感じさせる。

彼はロックバンドMALICE MIZER(マリスミゼル)のボーカルとして活躍していたが、1999年に脱退してGACKTとしてソロ活動に入った。

ガクトは自分を別名、神威楽斗(カムイガクト)といい、1540年7月4日生まれの469歳と公表している。
デーモン閣下ほどではないが、そういう世界の人らしい。

ソロになった頃より、ほとんど炭水化物を摂らない食生活を送っており、誕生日にだけはラーメンを食べるそうだ。
これは、彼の肉体を維持する為だそうであの変わらぬ体型、ひきしまった顔はこうした努力に裏付けられている。

テレビ番組などではボソボソと喋りながらも自信に溢れた口調で語るので威圧感さえ感じるガクトだが、彼の意外な一面を知る出来事がある。

それはガクトが高校を訪れて曲をプレゼントしたというエピソードだ。
数年前のこと。ガクトがDJを務めるラジオ番組にある高校生から手紙が届いた。
「僕のいる科は人数が少なくて、来年志望者が少なければ無くなるかもしれません。どうしたらいいでしょうか?」
という内容だった。
この時のガクトの答えがカッコいい。
「俺が何かをするというんじゃなくて、自分で何がやれるか考えてみろ」「何か頑張ってやってみるというなら、俺も応援するよ」
というような答えだったと記憶する。

すると、その高校生はクラスメートとチラシやポスターを作り、周囲に呼びかけた。
見事、次の学年は志望者が増えて科が無くなるということは免れたのだった。
そして、それをガクトに報告した。
ガクトは「そうか、頑張ったな。じゃ、俺も約束果たさなきゃ」
ということで行ったのが有名な兵庫県立舞子高等学校での卒業式ライブである。
以来、サプライズで高校の卒業式を訪れ「野に咲く花のように」を披露するというイベントを続けている。

このエピソードはガクトの人への思いやりもその自信を支える大きな力なのだと感じさせてくれた。

最近のガクトはミュージュシャン活動とともに役者としても活躍している。
ドラマではNHK大河ドラマ風林火山で見事な上杉謙信を演じ、キムタク主演のMR.BRAINでは、恐怖の殺人犯で迫真の演技を見せた。
映画にもBUNRAKU、劇場版 仮面ライダーディケイドなどに出演している。

俳優といえば意外にもクレバも、2005年の映画「ローレライ」に出演しているのだ。

以上、クレバとガクトについて見てきたが、「自己主張」対決としては
やはり、心に響く「卒業ライブ」をやってくれた、ガクトを評価したい。
「俺が俺が」で前に出るのではなく、さりげなく自分の考えをアピールできる。そんな自己主張ができるガクトの勝ちとする。
(TechinsightJapan 編集部 真紀和泉)