アジア発!Breaking News

writer : techinsight

【アジア発!Breaking News】2つの肛門をもつ鶏のニュースが一面を飾るワケ(タイ)

肛門が2つある鶏のニュースが、タイのある新聞の一面に掲載された。このニュースは単に肛門が2つある鶏を紹介するものだが、なぜそれが一面を飾るほどの記事として扱わるのだろうか。

鶏に関する記事の概要は次のとおりである。
当初、この鶏の飼い主は、鶏に2つの肛門があることを知らなかった。しかし、1ヶ月ほど前、友人が鶏の交配を行おうとした際に肛門が2つあることを発見した。その後、この鶏を観察すると、左の肛門からのみ卵が産まれること、そして糞は両方の肛門から排泄されることが分かった。

また、この鶏は二つの肛門を持つという特徴に加えて、闘鶏において絶大な強さを誇っているという。つまり、この鶏は、珍しさと強さを兼ね備えており、飼い主にとって金を生む非常に重要なものとなっているのである。

新聞記事の情報としては、これだけである。

日本人の観点からすると、この情報で紙面一面を飾るのは少し腑に落ちない。確かに肛門が2つ存在する鶏は珍しいし、また、現在のタイにおいてあまり大きなニュースがないといえども、わざわざ一面にもってくる必要性はないように感じてしまう。

では、なぜタイでは一面を飾るのだろうか。実はそれは、タイの宝くじに関連している。

タイでは、道端で気軽に“ロッタリー”と呼ばれる宝くじを購入することができる。宝くじ番号は6桁あり、売られている宝くじから好きな数字を選んで購入することが可能だ。毎月1日と16日の2回抽選が行なわれ、1等は賞金400万バーツ(約1,200万円)を手に入れることができる。

タイ人はこの宝くじを購入することを非常に好み、毎月1日、および16日間際になると、どの数字の組み合わせで購入しようか熟考する。

そこで、今回のようなニュースが重要な意味を持ってくる。それは、数字の組み合わせを考える際に、何か変わった事柄の数字を取り込むためだ。
つまり、鶏に肛門が2つあるという今回のケースでいえば、タイ人は、“2”という数字に対して特別な意味を付与するわけである。

これまでも、宝くじに関連付けられるような記事が取り沙汰されたことは、タイにおいて多々見られた。たとえば、5本の足をもつ牛が紹介されたり、変わった形の実がついた木について紹介したりといったことである。これをうけてタイの人々はそれにちなんだ数字を考えたり、あるいは、そのものの恩恵を受けるために現場へ行って数字を占ったりするのである。

よく行われる占い方法として、変わったものそのものに触れて数字を透視するというものがあるそうだ。
今回の2つの肛門を持つ鶏に関しても、それを行うために鶏を触りにくる人々がいるらしいが、飼い主は鶏が死んでしまうことを恐れて、それを許可していないらしい。
飼い主にとって大事な商売道具に死なれては困るというわけである。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)