writer : techinsight

【ドラマの女王】なぜ主役?華のない大泉洋。頼みの綱は“精鋭子役”。『赤鼻のセンセイ』

今回の【ドラマの女王】は、大泉洋主演の『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ系)。一応ヒットした同局のドラマ『ハケンの品格』(主演 篠原涼子)に出演していた大泉、その後フジテレビにて低視聴率女優・上戸彩の夫役として『暴れん坊ママ』に出演も撃沈。『暴れん坊~』はけっこう面白かった気がするが、アノ手のドラマを受け入れる視聴者が少ない事も事実。そして今回“無謀にも”大泉が投入されたのはやっぱりホンワカした感動モノ。今まで以上に「空回り」する大泉に絶句、頼みの綱は“精鋭の子役たち”か。

長期的な入院が理由で学校に通うことができない子供たちのために病院内に設置された院内学級。そこではさまざまな病気を抱えた子供たちが肩を並べて勉強をする。小児科自体の存続が難しい状況の今、院内学級が設置されているドラマのような病院は大変貴重。そしてその必要性はとても高い。

院内学級で中学生を教える教師の主人公・石原参太朗(大泉洋)は、病気で落ち込みがちな子供たちを笑わせようと、得意な(前職は家電販売員)赤鼻のパフォーマンスで授業に励む。案の定、そんな参太朗を少々冷ややかに迎える生徒の八重樫守(神木隆之介)や和田雅樹(須賀健太)。彼らは、思春期まっさかり。病気で自由にならないフラストレーションは人知れず溜まっている。小学生を教える太川絹(小林聡美)は、大道芸人一家の娘という事をひた隠しにしていたが、参太朗に知られてしまい、それを知られたくないために何かと参太朗に協力する事になる。数々のエピソードを重ね、真っ正直で明るい性格の参太朗が、沈みがちな院内学級を明るく“希望のあるもの”に変えていくのだが・・・・・・。

「赤鼻」をつけるピエロ的な”物悲しいイメージ”を背負った主人公・参太朗。さして“華”を感じない大泉洋を主役に持ってきた意図が良くわからないが(奥さんが敏腕ドラマプロデューサーだから?)、思ったとおり魅力に欠ける。大泉の演技はガチャガチャしていて空回りぎみだし、男性的な魅力も感じない。同僚の先生役の小林聡美や、厳しい小児科医役の香椎由宇など、女性キャストもそれなりにハマッているのだが、参太朗と恋愛に発展する要素が少なく、やっぱり見どころは大きくなった神木隆之介や須賀健太、まえだまえだなどの子役スターたちだろう。

そして参太朗のうかつな行動もいただけない。生まれつき糖尿病がある子供にお菓子を買い与えたり、(血糖値が上がり苦しむ女児を八重っち・神木が介抱。)、歓迎会をするために、豪華すぎる海や遊園地や山登りを“難病の子どもたちが”頑張って手作りしたり、いくらドラマでも首をかしげたくなる事ばかりだ。

人気“子役スター”集結の上に、毎週新たに“精鋭の子役”を入院させてフル稼働。ドラマ同様、何から何まで子供たち頼りな『赤鼻のセンセイ』である。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)