writer : techinsight

【ドラマの女王】“イノッチ”は違うよね? 嫁より母が大事な夫。『となりの芝生』

今回の【ドラマの女王】は橋田壽賀子センセイの『となりの芝生』(TBS系)。『渡る世間は鬼ばかり』のさつき、ぴったんこカンカンのぴったんこさん、とすっかりTBSづいている泉ピン子。『渡鬼』では「耐える嫁」だったけど、『となりの芝生』ではとうとう、嫁の瀬戸朝香をいびり倒す?姑役を演じている。ジャニーズとは仲がいいピン子だけに瀬戸朝香・夫のV6井ノ原快彦にも瀬戸の情報は筒抜けの可能性アリ。気に入られないと大変だ。ドラマ同様、朝香もうかうかしてられない?

16歳くらいからテレビで見ている瀬戸朝香も、今や32歳の人妻。落ち着いて主婦っぽく後ろに束ねた髪が色っぽい。何となく昔の山本陽子に似ているなあと思ったら、30ン年前にNHKで放送された同名ドラマの主人公・高平知子役を山本陽子が演じていた。ちなみにその時の姑役は沢村貞子で泉ピン子よりも品がいい姑だった。でも今回『となりの芝生』のピン子演じる姑・志乃は、お茶の先生もつとめる常識的な姑。少々口すっぱく嫁・知子に当たったりするが、『渡鬼』のきみ(赤木春恵)に比べたらだいぶマシである。家のローンで家計が苦しいと騒ぐくせに大根の葉っぱを捨てちゃう知子。姑ならずともアンビリバボーだよ。ぬか床に余った野菜を漬け込む志乃、ナイス。

母側にばっかりついて嫁を少々ないがしろにする夫・高平要役には、劇団ナイロン100℃→映画『ピンポン』→NHK大河ドラマ『新選組!』と着実にステップアップしている実力派、大倉孝二。視聴者ターゲットの中年女性にギリギリの知名度。『赤鼻のトナカイ』(日本テレビ系)の大泉洋の方がシックリ来たんじゃないのか。でも、しっかりセリフは入っている大倉、会社の後輩が家に来ておもしろくない知子に、「客をもてなすのは豪華な料理じゃなくて真心だ!」と妻をひっぱたく。その後ベッドで妻の「ご機嫌」をとろうとする不器用さもリアルで上手い。実際の結婚生活もそんな感じなのか?

なんとなく子役たちの年齢が大きすぎるような気がするが、それ以外は実にリアルに“ニッポンのヨメ”の現実を見せてくれる瀬戸朝香。実際のダンナ(V6井ノ原快彦)はやさしそうだけど、きっとイノッチは母親にもやさしいはず。気の強そうな朝香の事、いつドラマのような「嫁姑対立」を招きかねない。せいぜいドラマで、夫や姑を“上手に立てる”勉強をしてほしい。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)