writer : techinsight

【ドラマの女王】出来は上々なのに・・・豪華キャストのハイリスク。『MR.BRAIN』

今回の【ドラマの女王】は、ずっとガマンしていたのにとうとう見ちゃった木村拓哉主演のTBS系土8ドラマ『MR.BRAIN』。主演も豪華ならレギュラーキャストも豪華で、警察や研究室のセットもハデならCGも使い放題。それに加え毎回豪華なゲストが“犯人役”って、この不景気時代にキムタクを囲んでよくもまあこんなにいろんな人・モノ・カネが集まったもんだ。昔はこういうドラマはお正月にやったもんだけど。

ドラマの女王とか言っておきながら、『MR.BRAIN』放送期間中は思う存分「めちゃイケ」を見ようと決めた記者。「光浦靖子、男のふれあい旅(ラスト温泉で岡村が○○を触らせる)」や、「IMSRU(イマル)来店やべっち寿司」、そして「色取り侍(録画で観賞。)」も笑った。やっぱり“めちゃイケ最高!”。

とはいったものの、先週の『MR.BRAIN』の犯人役が、われらがヤンクミ(または「ありふれた奇跡」の加奈。)の仲間由紀恵。しかも「多重人格」って、もう見るしかないでしょう。ダイハツ・ムーブの「女は30から。」のCMでも(多重人格の)片鱗を見せている仲間さん。期待どおり、演技がすばらしい。役柄に合わせて顔もやつれ、少し体重も落としている。すごい熱の入れようである。

監禁されたつらい過去をもつ女性かなこ(仲間)。自分が失踪後にその要因となった人物を殺害し、犯人として捕まる。虐待の苦しみから逃れる為に自ら生み出した男の人格と、陽気な女の人格、オドオドと恐怖に震える元の人格をもっており、それが捜査を難航させ、3つの人格は記憶を共有しない為に逮捕後も事情聴取がままならない。。

そこに、科警研・脳科学の九十九龍介(木村拓哉)の推理?が炸裂。「空」をキーワードとした“悲しいトリック”でかなこの「脳」を試し、“多重人格を装う殺人犯”である事を突き止める。ラスト、空を見上げる仲間が美しい。
デリケートなこの手の問題の被害者(加害者)に人気女優を起用し斬新なつくり。

そして、木村拓哉に気を使うように“美男”のオーラを消している水嶋ヒロと、おっぱいバレー 綾瀬はるか、三人の息もぴったりの科警研は明日もがんばります。といったところでヴァンヘイレンの懐かしい曲が流れ、来週のゲスト犯人「エビ様」の姿が・・・・。

このドラマはストーリーもしっかりしているし、木村拓哉のキャラもいい。フジテレビの『BOSS』ほどふざけてなくて事件解決もわかりやすい。(今回しか見てないけど。)これほど出演者を豪華にしなくても18%ぐらいの視聴率は十分にとれたドラマだと思う。しかし同僚役の井坂俊哉や、“ツルギダケ”香川照之などはまだいいとして、大地真央やら爆笑問題・田中やら、トータス松本、平泉成まで出演料の高そうな脇キャストがズラリ。人気アイドル木下優樹菜(2代目モップガール?)やモデルのSHIHOまでチョコッと顔を出す。キムタク・ワッショイもここまでくるとちょっとうるさい。

ギャラのハイリスクのわりに、ローリターンな視聴率は今や業界の常識!?としか思えないドラマ界。これは経済崩壊後のビジネスの常識にもなりつつある。結局キムタクをもって作った豪華なドラマさえ高視聴率がそんなに長く続かない。その原因はまさしく時代なのかもしれない。しかしこの時期にこのような豪華なドラマ『MR.BRAIN』をつくった事は評価する。「苦しい時期だから、あえて華やかに見せる。」というのも一つのやり方、そのうち本当に景気良くなくかもしれないし。(そんな訳ないけど。)

夢を売るドラマ界だからこそ、これからも「予算の使えるキムタク・ドラマ」の挑戦は不可欠だ。莫大な資金を投資し事業に失敗した会社のCEOみたいに、最終的には「今は何をやってもダメな時期だから。」と見切ってしまうようようでは、カッコ悪い。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)