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ロマンスカーMSEがブルーリボン賞受賞

小田急電鉄の「小田急ロマンスカー・MSE」車両がきのう、2009年の鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。車両運用やデザイン、居住性などが評価されたもので、ロマンスカー車両がブルーリボン賞を受賞するのは2006年のロマンスカー・VSE以来3年ぶり、通算7度目となる。

ブルーリボン賞を受賞したロマンスカーMSE(小田急HPより)

ロマンスカーMSEこと60000形は、東京メトロへの乗り入れを図り開発され、2008年3月より営業運転を開始。全席指定制の有料特急として、日本で初めて地下鉄線へ乗り入れた車両となった。

平日は、大手町や霞ケ関など都心に通う通勤客を対象としたビジネス特急として、土休日には下町地区から箱根へのアクセスを担う観光特急として、マルチに運行。こうした性質から「Multi Super Express」の頭文字をとった「MSE」が愛称としてつけられた。

その車体は地下鉄線内を走行するため、大きさや設備面でのさまざまな制約を超克し、非常時等に使用する貫通扉を前面に設置しながらもロマンスカーの特徴である流線型のデザインを実現している。車体のカラーリングには、地下でも明るさを感じさせるフェルメール・ブルーを採用。また、天井の高さを確保したり間接照明を効果的に用いるなどして快適な居住性を実現している。さらには、日本で初めて車内にAED=自動体外式除細動器を設置したことでも知られている。

なお、ロマンスカーMSEは、今回のブルーリボン賞の他にも、既に鉄道関連の国際デザインコンペティションである「第10回ブルネル賞」の車両部門・奨励賞や、財団法人日本産業デザイン振興会の「グッドデザイン賞」を受賞している。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)