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「太宰治読んだことある」62%。”若年層ほど太宰支持”はなぜ?

今年は作家・太宰治の生誕100周年にあたるが、近年は『人間失格』の文庫本がカバーデザインの一新によって売り上げが急増するなど、若年層を中心に再び太宰作品へ注目が集まっている。モバイルリサーチを展開するネットエイジア株式会社では、太宰治についての調査を実施した。調査は携帯電話によるインターネットリサーチにより実施され、15歳から59歳の携帯電話ユーザー553名の回答が集計された。

まずは作家・太宰治の認知度を確認した。太宰治を知っているかという質問に対しては、全体の61.8%が「知っていて読んだことがある」と回答した。「知っているが読んだことはない」との回答は34.9%に達し、両回答を合わせると96.7%の回答者が「太宰治」を認知していることがわかった。中でも10代の男女や20代女性で「知っていて読んだことがある」という回答が高くなった。若年層は教科書で読んだことがあるために太宰作品を知っている人が多いようだ。

次に、太宰治の作品を読んだことがあると回答した342人に、どの作品を読んだことがあるかを複数回答形式で聞いたところ、92.1%の回答者が「走れメロス」を読んだと回答した。次に割合が高かった作品は「人間失格」で、65.5%の回答者が読んだと回答している。特に年齢の高い層で「人間失格」を読んだことがある割合が高く、「太宰治」の作品を読んだことのある50代男性の80.5%、50代女性では86.5%が「人間失格」を読んだと回答している。そのほかの作品は、「斜陽」が26.9%、「お伽草子」が12.6%、「パンドラの匣」が9.1%などとなっている。

そして、作品を読んだことがあると回答した342人に「太宰治」という人物が好きかという質問を単一回答形式で聞いたところ、全体では「好き」が10.2%、「まあまあ好き」が23.4%で、合わせて33.6%の回答者が「好き」と回答している。性・年代別でみると10代女性の53.8%、10代男性の44.8%が「好き」または「まあまあ好き」と回答しており、若年層ファンが目立つ結果となった。

さらに、「太宰治」を知っていると回答した535人に、太宰に対して抱いているイメージを一言で聞いたところ、最も多かったのは「堅い・気難しい」で13.5%であった。以下「暗い・陰鬱」が11.8%、「文豪」が8.6%、「賢い・頭の良い」「内気・神経質」が5.0%と続いている

なお、今年は太宰治の生誕100周年にあたることから、太宰作品を映画化した作品が多数公開される。浅野忠信・松たか子主演の「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」や、佐藤江梨子主演の「斜陽」、川上未映子・仲里依紗主演の「パンドラの匣」などの映画作品についての賛否も調査で明らかになった。この続きはモバイルリサーチのホームページへ。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)