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アニメの再放送がにわかに活気づいてきた。ドラゴンボールのデジタルリマスター版ではアフレコからやり直し、ハルヒは新作をスネークインするなど、さまざまな試みが注目を集めている。そんな中、3月でアニメ2期が終了するやいなや1期の再放送がテレビ東京系列6局ネットでスタートした「夏目友人帳」。原作はLaLa、LaLa DXで連載中の漫画作品である。
主人公「夏目貴志」は妖(あやかし)の見える高校生。幼くして両親を亡くして以来、親戚をたらい回しにされて育ってきたが、現在の引き取り手である遠縁の夫妻のもとに落ち着いた。このまま穏やかな暮らしを続けたいと願っていたが、なぜか妖につけ狙われる。逃げ惑ううちにそれと知らず結界を切り、妖「斑」を解放。斑の口から祖母「レイコ」が作った“友人帳”の存在を知らされる。
夏目同様、妖が見えたレイコは周囲の人間から忌み嫌われていた。孤独の中レイコは片っ端から妖に戦いを挑み、負かした妖の名を友人帳に記したのだ。書かれた妖はその名をレイコに呼ばれることで絶対服従を強いられる。しかも友人帳を燃やす、破くなどすると妖も同じ憂き目に遭うという。
夏目を狙った妖はその命運から逃れるため、名を取り戻すことが目的だった。それ知った夏目は名の返還を求める妖の要求に答えることに。斑は夏目の死後友人帳を譲り受けることを条件に、夏目の手助けをすることとなった。
妖が見える高校生を主人公に据えてはいるが、バトルものではない。生い立ちゆえに人と接することが苦手な夏目が、妖との関わりを通して成長していくハートウォーミングストーリーだ。
夏目は妖をただ人ならざるものとして切って捨てることはしない。もともとの心優しい性格もあるのだろうが、人間社会から見れば同じように特異な存在である自分と妖を重ね合わせ、共感し、情を移している。幼い頃、妖が見えることが原因で同年代の子供から嘘つき呼ばわりされ、大人には持て余されていた夏目。いつしか自分の居場所を求めることすらやめてしまっていたが、妖とのふれ合いにより少しずつ心を溶かしていく。
孤独な少年が仲間との交流で心を開き、成長する。フィクションとしては非常にスタンダードなテーマであり、使い古された感すらある。しかしこの作品は妖という現実にはない存在により、人の心をよりリアルに描き出すことに成功した。
夏目は強大な力で悪い妖怪をばったばったとなぎ倒すスーパーヒーローではない。大なり小なり誰もが感じたことのある悩みや苦しみを内包し、ひたすらにもがいている。そんな夏目の前に現れるのは、やはり心になにかを抱えた妖たち。読者は時に夏目に、時に妖に感情移入し、大きく心を揺さぶられる。思わず涙してしまう場面も多いが、救いのないエピソードは現在発行されているコミックス7巻までにはなにひとつない。心地よいカタルシスを得られる作品である。
美しい世界も一見の価値あり。夏目の生活圏には神社や、ダムや、廃校、蛍がやってくる水場など、妖にふさわしい場所が点在している。日本人ならば誰もが懐かしさを覚えるそれらの舞台に生きる妖は、生き生きと、生々しい。白黒の紙面からもそれは十分伝わるが、美麗なアニメでそれを楽しむのもまた一興であろう。
(編集部:三浦ヨーコ)
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