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【ドラマの女王】“国家権力”に媚びる?役者余りドラマ『アタシんちの男子』

2009年5月19日 12:30

今回の【ドラマの女王】は、火曜9時にフジテレビ系で放送中の“イケメンおかわり枠”最新作『アタシんちの男子』。髪クシャクシャのホームレス姿もカワイイでしょ?といわんばかりにチョイ汚れてみせる堀北真希。彼女の後ろに控えるダメ兄弟たちも人気者揃いなら、物語を盛り上げる脇役だってそりゃ豪華。芸能界ギャラ激減で「役者余り時代」が到来してるのか、『BOSS』同様、別にいらないキャストがムダに増殖中だ。

「おーい、堀北真希がイケメンたちの母親役をやってるよ。って、半分が年上じゃん。」こんな声が聞こえてきそうな無理な設定。堀北本人も、「いずれはお母さん役をやりたいと思っていましたが、こんなに早く実現するとは(笑)」とコメント。そりゃそうだろう。

母が病死し、借金からから逃れるため、ホームレス生活を送る20才の女の子、峯田千里(堀北真希)。ある日、借金取りに追われている途中、大蔵新造(草刈正雄)という男から、余命いくばくもない自分の形式上の妻になってほしいと頼まれ、引き受けるかわりに借金を肩代わりされる。

1か月後に新造がこの世を去り、晴れて自由の身になったはずの千里に、新造の養子6人の男子の面倒を見る義務「母親十か条」が課せられてしまう。千里は母親として彼らと一つ屋根の下で暮らすことになる。

千里の「母親役」は、生活の世話をするというよりは彼女の持ち前のパワフルさと人情味をフル回転させ、ひとクセもふたクセもある“アタシんちの男子”たちを「マトモな男子」に生まれ変わらせ、一つの家族にまとめていく。そんな役割だ。

そして同時進行で男子のうちの誰かと恋もある?という「女子的に」欲張りなストーリー展開が期待される。「イケパラ」や 『メイちゃんの執事』とやってる事はほぼ同じ。でも見てしまう。『イノセント・ラブ』と違って明るい役どころのホリマキちゃん。いかに男子たちと「格闘」しているのかと思いきや、意外とあっさり手なずけてしまう。

ファッション誌専属のカリスマモデルである四男の優(山本裕典)の女性恐怖症を軽減させ、引きこもりの五男の智(瀬戸康史)を部屋から出し、早くも冷めた天才小学生の六男の明(岡山智樹)の心をも掴んでしまい、下から三人の男子はいとも簡単に陥落。

難しかった子持ちホストの三男・翔(向井理)ともなんとか上手く家族として食卓を囲むようになったのだが、問題はナゾの長男・風(要潤)。千里の「母親十か条」が“金のためである事”を男子たちにバラしたり、強引に千里に恋人役をやらせたり、ちょっと意地悪そう。要は『ゴッドハンド輝』でも合ってない役だったが、こちらもハズレ。“無理して悪い人やってます。”感が痛々しい。いちばん優しい二男の猛 (岡田義徳)はぴったりの役どころ。岡田はいつも役選びが上手い。

いまのところたいした見どころも無いのだが、お屋敷の共同サウナでの瀬戸クンや山本クンの裸は一見の価値あり、か細い体で抱き合ったり、腐女子の皆さん、こんなBL的なニオイのするサービス?もあるよん。

前回のお話は、風の意地悪のせいで、千里は温泉を掘って金儲けしようとする。ひともんちゃくがあって、新造の残した玩具メーカー「ミラクル」でホームレスたちを雇用するという結末に。翔の元妻と子供の回でも結局は「ミラクル」社をうまいこと建て直す千里。そのたびに毎回出てくる秘書の時田(山本耕史)と弁護士の響子(高島礼子)が、何かイロモノ扱いでちょっとかわいそう。有名役者なのに。一度死んだ父・新造にはまた出てきてほしいぞ、草刈さんカムバーック!!

それにしても、オシャレなネットカフェをねぐらにする現代的な主人公。ネットカフェは今クール、漂流したり(TBS系『漂流ネットカフェ』)、同局この後の『白い春』では、元殺人犯の生活の場にもなったりして大活躍。いかに都会の生活に“寝カフェ”が浸透しているかが分かる。ドラマ上の使われ方として、この無味な空間において人間味を出すかが流行りみたいだが、ここのネカフェの店員たちはすごい。おせっかい焼きの豊(つるの剛士)と平次(永山絢斗・ドコモお義理出演!)のバイト2人は、仕事そっちのけでなにかと千里のために労を砕く。

このドラマ、ここまで見て何か気づかないか?
“地デジ大臣・鳩山邦夫”と総務省がよりかかるNTT社の携帯をCMする堀北真希が、やたらと携帯を多用するストーリーを演じ、麻生総理大臣大絶賛のマンガ喫茶が人助け。そこに、引きこもりを外に出したり、女性恐怖症男子が同性愛に走るのを止めさせたりして、本当の家族愛を見出すって、しかも全員血が繋がってないというのは、「少子化対策のために誰かと結婚してドンドン子供生んでちょうだい。」てメッセージも感じる。

“表面上は”可愛らしい『アタシんちの男子』は、意外と“国家権力”に媚びたドラマだったりして。

(編集部:クリスタルたまき)
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