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人の好みは十人十色、それはお笑いにおいても当たり前。かといって全ての芸人に平等に人気が振り分けられることはない。時としてそれは公平ですらないのだ。
例えばロッチ(ワタナベエンターテインメント)。十分な実力を持ち、人気番組にも出演しているのになぜか彼ら自身の人気は一向に上がらない。最近では自らの不人気ぶりをトークのネタにする姿が涙を誘う。
東京03(プロダクション人力舎)も同様。どの番組やライブでもコンスタントに笑いを取れるポイントゲッターだというのに、人気はいまひとつ。それどころか知名度もけっして高くはないという状態だ。
そして中山巧太(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。R-1覇者のこの露出の少なさはどうだ。M-1チャンプ・NON STYLEのように数ヶ月たってからじわじわとくるのかもしれないが、現状はしずかなること林のごとくであり、動かざること山のごとしである。
挙げた3組の共通点は、地味であること。あげく比較対象としてどうしても思い浮かんでしまう芸人が、太陽のごとく輝いている不幸な現実がある。
ロッチが唯一抱えている全国放送のレギュラー番組、爆笑レッドシアター。共演者には今をときめくはんにゃ、しずる、フルーツポンチらがいる。特にはんにゃの力は絶大で、彼らの今の輝きをもってすれば他の芸人は否応なしに影へと追いやられてしまう。
常に地に足のついたトリオコントを披露してきた東京03の前に立ちはだかるのは我が家。3人組ならではのローテーション漫才という新兵器を引っさげ、あっというまにトリオ芸人の頂点に収まった。車掌&言葉遊びの二刀流をふりかざすななめ45℃の台頭も東京03にとっては脅威であろう。
中山にはバカリズムがいる。芸風がやや似通っていることに加えて全国的な知名度はバカリズムの方が高いため、どうしても中山には陽があたりづらい。両者とR-1のタイトルを競ったエハラマサヒロの活躍も、中山に降りそそぐ影を濃くしている。
現在のお笑いブームを支えている層は、流行っていないものはおもしろくない、と考えているふしがある。クラスのAちゃんや会社のBさんがおもしろいと思わなければ自分も思わない、または思っていても口に出せないのであろう。流行のファッションに身を包むように流行の芸人で笑う、先に挙げた3組はそういった人々に支持されないだけだ。
その代わり、この3組には“通好み”という枕詞が許される。『俺は好きだけどね』などというやや上から目線の言葉が非常に似合うのだ。流行で笑う、無駄に通ぶる、笑いの楽しみ方に正解などない。ただしどちらも若干、気持ち悪いものではあるが。
私自身後者の気持ち悪いお笑いファンだということを自覚している。そこであえて言おう。この3組はもっと評価されてもいいと思う。私は好きなんだけどな。
(編集部:三浦ヨーコ)
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