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去る2月23日に行われた東京都立高校の一般入試では、JR中央線などの大幅遅延が影響して、ほぼ全ての高校で試験開始時間を2時間遅らせるという前代未聞の事態となったが、それによって、こんなところにも影響が出ていたことが、今になって明らかになった。
都はきのう、先月23日に行われた都立高校の一般入学試験において、試験開始時間が2時間繰り下がることを受験生に伝える際、国語の漢字の書き取り問題の正答の一部となる漢字を板書をした高校が延べ83校あったことを明らかにした。
都教育委員会は先月27日の合格発表に先立ち、83校の受験者全員については該当する漢字を全員正解とし、2点を加点する指示を出したという。
都教委によると、該当する問題は国語の漢字書き取りで、「幹線道路を”チュウヤ”の別なく車が行き交う」という文章のカタカナ部分を「昼夜」と書かせる問題だ。
全日制156校のうち76校、定時制33校のうち7校の延べ83校では、開始時間の繰り下げを連絡する際、担当者が黒板に「昼食」「昼休み」などと書いてしまった。そのため、各校から採点の対応について都教委に問い合わせが寄せられていたという。
しかし、今回の件は、「試験時間を間違えた」「リスニングの放送が聞き取れなかった」といったミスでも、問題の不備でもない。全く書けなかった生徒も含めて全員を一律正解としてしまうことには、逆に問題はないのだろうか。
都立高入試の漢字問題は近年、単純に字を知っているだけでなく、語彙力の多さも問うような問題が出る傾向にある。今回の「チュウヤ」は、「昼」や「夜」という漢字を知っていても、「昼夜を問わず」「昼夜の別なく」といった言葉を知らなければ、その字を連想できなかっただろう。昨年の入試でも「バイリンを散歩する」という、何ともマニアックな言葉が出題されていた。
(ちなみに正解は「梅林」)
また、最近は生活語彙に関わる出題も多い。例えば今年の漢字の書き取りでは、「新鮮な”ギュウニュウ”を飲む」という、「ギュウニュウ」を漢字で書かせる問題が出ている。ほとんどの公立中学校では、給食の時間に毎日そのパッケージを見ていただろうから、逆に「まさかこんな漢字の書き取りが出るとは」と思った受験生も多いことだろう。
(ちなみに正解は「牛乳」)
こうしたことを考慮すると、「昼夜」を書けたかどうかについては、日頃からの語彙力を鍛えているかということと、日常の様々な場面で使われる言葉に興味を持っているかどうか、が分かれ目となったのではないか。その意味では、黒板に書かれた「昼食」を見て漢字の書き取りのヒントを得た、字を思い出したという生徒は、逆に観察力に優れている、という皮肉な見方もできそうだ。
ちなみに、今回トラブルとなった「昼夜」の書き取りについては、実は平成8年度の入試問題でも出題されている。その時は幸い、こうしたトラブルは起きていないようだ。
(編集部 鈴木亮介)
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