
![]() |
|
|---|---|
![]() |
|
![]() |
|
アンケートに協力いただきありがとうございました!
『オッス、おらニート』、身も蓋もない台詞から漫談を開始する「ガリガリガリクソン」。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のピン芸人である。
冒頭の台詞からもわかるように、彼の持ちネタはニート漫談。舞台上でなにを言うかと思えば『テレビに出るって言ったらおばあちゃんが一万円くれました』――最低である。だが、おもしろい。ガリクソンのネタはニートへの応援歌などではまったくなく、ただヘラヘラと、自らの日常風景のようなものを語るのみだ。
ニートが社会問題となって久しい今、当事者やその家族はガリクソンのネタをどのように感じているのだろうか。自嘲、苦笑、憤り、なんにせよ心からの笑いには結びつかないに違いない。ガリクソンの笑いは一部の人を傷つける可能性を持つ、近年減りつつある類のものだ。
笑いは人を幸福にするものであるが、必ずしも幸福な土壌で育つものとは限らない。容姿、頭脳、生活水準、家庭環境、さまざまな要素で下層とされているものを拾うことで笑いが生まれることは多々ある。『べっぴんさん、べっぴんさん、ひとつとばしてべっぴんさん』などはその顕著な例だ。
しかしそれも程度がすぎるとバッシングにつながる。自分の痛みにだけ敏感な民衆がこぞって非難を始めるのだ。それを避ける方法はただひとつ、自らその痛みを味わうこと。すなわち、自虐である。
ガリクソンは確かにお笑い芸人であるが、働く意欲はあまりないようだ。自分にとって芸人は現実逃避という発言もしており、その立場はニートであるといってもいいだろう。そんな自らの感情を元にくり広げるネタはまさに自虐の詩。ニート問題が対岸の火事である多くの観客にとっては実に面白く感じられる。ガリクソンは燃え盛っている当事者たちを意に介さず、自らはその火の上で踊り続けているのだ。
加えてガリクソンはさらに火勢を増すような燃料を注ぎ込んでいる。アニメTシャツにダサ眼鏡、ニート=オタクという誤解をさらに強めそうなその風貌。どこどこまでもニートを馬鹿にしている、と捉えられても仕方がない。
ではネタはというと、それはそれは素晴らしい、とはいえるものではない。どちらかといえばしようもない部類に入るものだ。それでいてある種の人々には痛みを強いる。いいところがまったくないように思えるが、おもしろい、と私は声を大にして言おう。少なくとも、民衆の目を気にするあまりにめぐりめぐって特定の著名人を意地悪くいじるようなものよりは数段上だ。
どうしようもない男のしようもないネタ。当人はそれを自覚しつつも、卑下しているようにはまったく見えない。ニートの先駆者ともいえる人物の『働いたら負け』発言は世間の憐憫と怒りの矛先となったが、ガリクソンは働かない事実を笑いに昇華させている。
などと大層なことを書いてはみたが、ガリクソンは頭をからっぽにして楽しむのが一番だ。どうしようもない男のしようもないネタは、きっと働くことに疲れた心と頭の隙間をねっとりと埋めてくれることだろう。
(編集部:三浦ヨーコ)
【関連記事】
・芸人青田買い キムチとライス
・芸人青田買い ラバーガール
・芸人青田買い 夙川アトム
・芸人青田買い タカダ・コーポレーション
-ITからセレブ、オタク、事件・事故まで。スルーできないニュース満載-
TechinsightJapan(テックインサイトジャパン)はコチラから!