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「EXILE」この不景気に新たに“人を雇う”男気。

2009年3月5日 10:45

エイベックスの看板アーティスト「EXILE」が、弟分の7人組ユニット「J Soul Brothers(JSB)」と新たに合体し、メンバーが総勢14人になった。この不景気時代に新たに大量に人を雇い入れて大勝負に出た「EXILE」。かつて音楽ユニット「ZOO」の失敗を教訓に、「恵まれた今こそ挑戦するべき」とメンバーを説得したリーダーのHIROとそれに共感するATSUSHI他メンバー。男気のある「EXILE」のあり方に、日本の“職人文化”を見る。




この不景気に14人の大所帯になってしまい、まさに“モー娘状態”の「EXILE」。まだ仕事があるうち(グループが人気のうち)に若い職人に“技”(歌やダンス)を仕込み、いろいろな現場に連れ回して、同業者や客先に「顔を売る。」まさに、職人の親方と弟子のような“やり方”で芸能界を生き残ろうとする彼らは、いわば歌やダンスを売りにする小さな工務店のようだ。

一見荒っぽいが“気さく”な「EXILE」の7人は、ミュージカルや、プリクラ、時代劇アニメなど、人気アーティストは“やらない種類の仕事”も快く引き受ける。それらが欲張りなファンの欲求を満たす。コンサートに人気お笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史をゲスト出演させ、その内容をたっぷりお茶の間に放送させたり、NHKの朝ドラ「瞳」(2008年)に MAKIDAI(眞木大輔)を投入したりと本来ターゲットとなる若者層より上や下の年代へのアピールがとても上手いユニットだ。

その“節操”のない活躍は、決して「ただの儲け主義」ではない。
「ZOO」から脱退したHIROを中心として独立し、ボーカル交代などいろいろな試練を乗り越えてがんばってきた「EXILE」。その“できる事はなんでもやる”という精神は功を奏し、昨年は日本レコード大賞、オリコン売り上げ1位を獲得し、人気を不動のものとした。

「EXILE」を“小さな工務店”と言ったのは、逞しい腕で歌い踊り、大汗かいて何かをやっている彼らの姿が、とてつもなく肉体労働的で建設現場のニオイがしたからだ。

かつて「現場の華」と言われた華麗な鳶や、大工、『ありふれた奇跡』でおなじみ左官工など、「寸分の狂いもなく」ビシッと家やビルを建てていった日本の建設職人たち。“体ひとつで稼ぐ”日本の職人は、かつて世界で類を見ないほどに地位が高く、トラックの運転手や、整備工などと共に、サラリーマンとは違った男の魅力に溢れていた。

かつては組合などもしっかりと機能していて、職人たちの賃金や安全が守られていたが、世界的金融危機のあおりを受けた大手企業が次々と現場から撤退し、“未払い”の嵐が吹き荒れる今、そんな事は言っていられなくなった。
「体ひとつで稼ぐ」職人たちは、“派遣労働者”への変更を余儀なくされた。“派遣労働者”になった若者たちに生活の保障は無い。

このような現象は、建設業界ならずとも日本中に起こっており、少数の企業が莫大な利益を上げ、一旦社会システムから外れたものは「這い上がれない」暗い世の中だ。

そんな暗い日本に於いて、一回“干されて”はまた復活し、「できる事は何でもやって」返り咲いた「EXILE」は、虐げられた庶民のヒーローである。「株トレード」も「企業買収」もしないけど「歌や踊りで」ひと財産を築いた熱き男たち。誰もが応援したくなるのも無理はない。自ら立ち上げた所属事務所の「LDH」のもたらす意味はLove(愛)+Dream(夢)+Happiness(幸せ)。カッコはつけるが“面倒くさいこと”がキライな彼らは常に単純明快だ。

この不景気に新たに“人を雇う”男気。

最初はいろいろあるだろうが、「EXILE」は今度もきっと“うまくいく”。今の日本でそう信じるのは大事なことだ。
リーダーで社長でもあるパフーマーのHIRO(ヒロ・五十嵐広行)の手腕は、これからが試されるのである。

(編集部:クリスタルたまき)

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