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今回の【どっちが勝ち組でショー】は、『矢島美容室』 VS『羞恥心 with Pabo』。とんねるずのふたりとDJ OZMA を迎えて結成された『矢島美容室』だが、見た目の派手さに反して『羞恥心』を超える人気には繋がらないのは何故か。理由は、ある世代の支持が重要なカギとなる。『羞恥心』の“勝ち”を支えた世代とは?
『羞恥心』の人気は小学生から火が付いた。
「勉強できない子」に合わせて学校が授業をする“ゆとり教育”のおかげで「教育格差」が広がっている。塾に行って勉強をしているいわゆる「進学組」の子たちはすこぶる頭が良くなり、「詰め込み学習」から開放された普通の子たちはスポーツや遊びと勉強以外の事にも精を出す。時には「雑学」なんかに興味を抱き、そこにうまくヒットしたのが『ヘキサゴン』だった。
「進学組」でない方の生徒たちは“おちこぼれ”なのか。というとそうではなく、「ゆとり教育」のおかげで視野も広がっている。そんな中で “釣りや昆虫の事なら誰にも負けない”つるの剛士を筆頭に 上地雄輔、 野久保直樹と「勉強ができなくたってずっとクラスの人気者」だったような三人が集まり、『羞恥心』が結成された。彼らは、瞬く間に大多数を占める受験をしない「普通の子たち」のヒーローになった。
ヤンキーなのに“スレてない”木下優樹菜、親しみやすい里田まい、美形のスザンヌ。女子三人組の方も上手く効いている。なかなか「おバカ」になれない「賢すぎる」現代女性に対して、韓国語で“おばかさん”という親しみを込めたという呼ばれ方の「Pabo」ちゃん達は、他人の教えを何でも素直に聞いてくれそうで、とくに男性や年配者にウケがいい。
一方、『ドリーム・ガールズ』風の衣装とドハデなメイクの女装で、「パオ・パオ・パオ」というつかみの『矢島美容室』。とんねるずとDJ OZMAがタッグを組んだ割には、思ったほどセールスが振るわないのはなぜか。
これまでに、とんねるずは歌手活動の他に、「みなさんのおかげでした」の番組スタッフと『野猿』で、その他工藤静香や山本譲二など大物歌手と組んでヒットを飛ばしてきた。今回パートナーに選んだのは、『氣志團』ではヤンキー漫画風の応援団キャラを、その後は“平成ホスト”をキャラ化したDJ OZMA。この男の人並みでないプロデュース力と、洋楽要素をちりばめた楽曲ねらいで「ユニットを託した」とんねるずだが、少々「読みが外れた」ようだ。
『矢島美容室』には、時代を反映したカッコ良さが無い。
とんねるずが「高卒、高卒」と騒いでいた24、5年前、世の中はものすごい競争社会で、ある意味卒業した「大学」が人生を左右していた。当時、大学に行かなかった人はなんとなく「負けた感」が漂い、みんなが高学歴な成功者に憧れた。しかし芸能界で成功しても、とんねるずは「高卒、高卒」と開き直っていて、それがカッコ良くもあった。バブルを象徴する『雨の西麻布』にしろ、働く男の結束をうたった『野猿』にしろ、いずれも時代ごとに“とんねるずの生き様”を見せるカッコ良さがあった。
21世紀も10年近く経ち、有名大学を出ても一生の保障が無く、みんなが“きらびやかな成功”よりも、つつましくても“本当の幸せ”を求め始めた。これも影響している。
「夫婦2組に1組」という大離婚時代にある子ども達は「父親との団らん」に飢えていて、毎日飲み歩いていそうなとんねるずや、危険な香りのするDJ OZMAは受け入れにくい。いつも一緒にいてくれそうな、『羞恥心』の3人は子ども達にとってある意味理想の「お父さん、お兄さん」であり、憧れでもある。どう考えても軍配はこっちに上がる。
『矢島美容室』は、子どもじゃなくてもっと上の世代を狙って結成されたのではないか。と思われるかもしれないが、上の世代の若者は、携帯・パソコンの普及で20年前より著しくテレビを見なくなっている。いろいろな出費が多い上に、“不景気”な若者達は慎重に金を使うので、ハデなだけではCDを買わない。今や、ユニットの成功には、小学生の支持が不可欠なのである。
『羞恥心』のユニットは一旦活動を休止し、『矢島美容室』は、今後も新曲を出す予定らしいが、競争相手がいなくなって売り出しが楽になるのか、それとも今年に入って“ユニット化”自体の流行が下火になるのか、“引退を宣言したキャラDJ OZMA”次の手腕の見せ所でもある。
(編集部:宇佐木野ミミ)
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