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新春1発目の【ドラマの女王】は、お正月スペシャルを飾った『必殺仕事人2009』。約30年前から放送しているこのシリーズ、スペシャル版を見た限りではテンポも良く、心配されていた“ドラマ全体の安っぽさ”は感じられなかった、しかし「何かが足りない!」その足りない「何か」を探る。
かつての”中村主水”藤田まことと、菅井きんの出演で『必殺仕事人シリーズ』くささをかろうじで残すこのドラマ。ふたを空ければ、東山紀之、松岡昌宏、大倉忠義(関ジャニ∞)などのジャニーズ大量投入に、がっかりしたお父さんも多いのでは?
かつて、藤田まことの中村主水が、「ムコ殿!」として、姑と嫁にいびられていた姿にリンクする様に、東山演じる渡辺小五郎が、嫁のふく(中越典子)と母こう(野際陽子)の間で小さくなっている「ムコ殿」を好演。中村主水の方も、相変わらず、せん(菅井きん)とりつ(白木万里)にいびられている。
かつて、藤田が演じた中村主水は、跡継ぎ欲しさに夫婦生活を迫る嫁を尻目に、こっそり掛け軸の裏側に隠した“へそくり”の「やまぶき」を持って遊郭に遊びに出ていたが、ご清潔なイメージの東山にそんな男くさい描写は可能なのであろうか。
もともと『必殺仕事人』のコンセプトは、「他人の恨みをお金で晴らす」というネガティブなもので、「間違い無く相手を殺して」晴らしたいその“恨み”とは相当ドロドロしたもの。昔の放送では、「町娘が男にテゴメにされた上に殺され、川に投げ捨てられる。」なんていう描写がてんこ盛りだった。
『仕事人』の“仕事”は基本殺人だし、見せ場の殺し方も残酷だ。今となっては、同局の『ロンハー』や、『クレヨンしんちゃん』なんて非じゃない“子どもに見せたく無い”内容でもある。
そこに投入されたジャニーズ達。東山と松岡のファンは大人が多いからまだいいが、これから売り出そうとしている若手、大倉忠義(関ジャニ∞)や、まだ“あどけなさ”の残る谷村美月、まえだまえだのお兄ちゃんなどが見たくてチャンネルを合わせる世代に『仕事人』の存在意義をどう伝えるか。毎週殺人事件を解決する『名探偵コナン』にも見られるように、子どもたちが「恨みを晴らす=殺人もOK!」という図式に解釈しないだろうか。人の死はそんなに軽々しいものでは無い。
スペシャル版を見るかぎり、その辺は一応考えて作ってあるようだ。そう、 “何かが足りない”と思ったら、「エロさ」と「グロさ」が足りなかったのだ。
スカッとする、仕事人たちのグロい殺し方や、帯ぐるぐるほどきから除く白い足など、『必殺~』のオールド・ファンを喜ばせるキワドイ演出ナシで、どこまで視聴率を引っ張れるか。3世代からの支持を集めたい気持ちは分かるが、懐かしい大人の時代劇『必殺仕事人』を、健全なジャニーズカラーでまとめるのは少々無理があるのではないだろうか。
(編集部:クリスタルたまき)
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【参照】
・『必殺仕事人2009』テレビ朝日系列