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昨年に引き続きM-1グランプリ決勝戦への切符をもぎ取ったダイアン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。大阪NSC出身で、先日惜しまれながらも閉館したうめだ花月を拠点に活動していたバリバリの関西芸人だ。それゆえか、全国区での知名度はけっして高いとはいえない。
M-1のタイトルを獲れば、どんな芸人でもその名を全国に轟かせることができる。これは周知の事実であり、M-1を足がかりにブレイクすることを夢見て参加する芸人も多くいることだろう。大阪ではある程度の人気を誇っているが全国区ではいまひとつのダイアンも、そういった野望は少なからずあると思う。
しかしダイアンには、知名度よりも切実な事情がある。ツッコミの戸田は妻から『10年たって売れなかったら芸人をやめて』と言われているのだ。これは6月1日に放送された「新婚さんいらっしゃい」(テレビ朝日系列)での発言。売れなければ別れても仕方がないという妻に対し、津田はM-1を獲ると公言した。ダイアンがM-1に出場できる機会は今年を含めてあと3回残っているわけだが、M-1は優勝どころか決勝に残るのも困難な厳しい舞台。今年こそがラストチャンスという意気込みで臨まなければ、妻か笑いか、どちらかを失うことになりかねない。
今年のM-1決勝戦ではトップバッターで漫才を披露しなければならないダイアン。M-1決勝戦で先陣を切ることは多くの芸人たちが忌み嫌っている。始まってすぐは場が温まっていないため、笑いが取りづらいというのが主な理由だ。ダイアンもそれは重々承知で、1番手と決まった時はどこか渋い表情だったという。しかし私は、ダイアンの1番手はさほど悪いものではないのでは、と考えている。
ダイアンの漫才はアゲアゲなものではない。西澤のゆる~いボケを軸に、津田が的確かつスピーディなツッコミを入れるのが特徴だ。全体的に落ち着いたトーンでくり広げられるため、やや冷えた空気の中でもそこそこ映えるのではないだろうか。むしろ場が温まりすぎてはその熱に飲み込まれてしまう可能性がある。現に昨年は8番手だったのだが、残念な結果に終わっているではないか。
今年は周囲のメンバーにも恵まれている。今年のファイナリストは今をときめく人気若手芸人が多い。テレビのショートネタでブレイクしてきた彼らを、舞台仕込みの漫才で迎え撃つことはそう難しくはないはずだ。こうなれば知名度の低さも武器となる。闇にまぎれていた伏兵が静かに場を支配していくのもまた一興だ。
(編集部 三浦ヨーコ)
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