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Hondaはこのほど、歩行や階段の昇り降り、中腰などの運動に際して脚にかかる負担を軽減する「体重支持型歩行アシスト」の試作機を発表した。これはアシストスーツ(身体機能を支援する装着型ロボットの総称)の一種であり、機能的にはホンダに先駆けてサイバーダインが開発したHALの簡易版と呼べるものだ。多様な用途が期待されるアシストスーツは私たちの生活をどのように変えるのだろうか。
写真3は、アシストスーツの先駆けとなったサイバーダインのHALである。HALは、人間が体を動かすときに脳から出す生体電位信号を関節各部のセンサーがとらえ、筋肉が動き出すよりも一瞬早く動いて力を加える。高齢者の介護や身体障害者の動作支援、重労働の負担軽減、災害現場での救援活動など多様な用途が見込まれている。
いずれも一昔前なら漫画やSF映画の世界でしかお目にかかれなかった代物だが、いつの間にか実用段階にきており、昨今のテクノロジーの進歩には驚嘆する。作家ジュール・ベルヌは、「人が想像できることは、必ず人が実現できる」と言ったが全くその通りのようだ。
様々な用途への応用が期待されるロボットスーツだが、人間の身体能力を飛躍的に向上させるという性質上、軍事転用を危ぶむ声も聞こえてくる。実際HALの発表後、サイバーダインには諸外国からそういったオファーが寄せられているという。アメリカでは24時間休まず戦闘に参加できる兵士をつくるための研究や、兵士に通信機能付きの生体モニタリング装置を装着させ、管制で個々の兵士の体のコンディションを把握し、指揮しやすくするというような戦争シミュレーションゲームさながらの研究が進んでいるという。現実化しつつあるのは何も人の暮らしを明るくする発明ばかりではないようだ。
人間が想像できることが実現しやすいならば、古くからSFの古典的アイディアとして繰り返し用いられる「人を助けるはずの機械を制御できなくなり破滅する人類」というネガティブなイメージを実現させないために、このような先進テクノロジーを用いる際には厳格な倫理基準が必要になるだろう。
(編集部:こてつ)
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