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企画物ユニット『悲愴感』予想外ヒットの理由は…

2008年9月25日 10:11

 人気バラエティ番組『はねるのトびら』から冗談で誕生したユニット・悲愴感の、この1ヵ月の瞬間最大風速はもの凄かった。
 アンガールズ田中卓志・ロバート山本博・ドランクドラゴン鈴木拓という少々頼りなさげな3人が、『ヘキサゴンⅡ』の人気ユニット・羞恥心を真似て8月27日にリリースした同名のデビューCD『悲愴感』が、1ヵ月弱でなんと12万枚のスマッシュヒットを達成したという。
 この瓢箪からコマとも言える予想外の売れ行き。番組の高視聴率とか、クチコミとか、便乗効果とか、理由はいろいろだろうが、昨今の「お笑い芸人ブーム」の流れの中で起きた出来事として振り返った時、それらとは別の新たな理由が思い浮かぶのである。




 かつて芸能界では定番であった「お笑い芸人が売れるとレコードを出して歌手デビュー」という流れは、ここ1~2年ですっかり影を潜めてしまった。空前の「お笑い芸人ブーム」と言われた今年、そのうち今年CDデビューを果たした人を探すと、悲愴感と同じ8月27日に『グーグーSunバ!』をリリースしたエド・はるみが目立つぐらいだ。
 近年「着うた配信」が定着したことも、リリース減少に関係あるのかもしれない。昨年のムーディ勝山や、2005~6年の小梅太夫も、当初話題になったのはCDではなく「着うた」のダウンロード数であった。
 また一方、芸人ソフト販売会社・コンテンツリーグが2006年に誕生して以降、歌手デビューならぬ「ネタDVDデビュー」するパターンの芸人が多くなった。無理にコミックソングを歌わせられるよりも本芸の方を……と考えるのは、芸人心理を考えれば納得かもしれない。

 とはいえ、リリース数の減少は長年のお笑いファンにとっては寂しい話だ。ほんの数年前まで、テツandトモ・ダンディ坂野・はなわ・波田陽区と、芸人のコミソンデビューはずっと継続していたのに……である。実際のところ、不振が噂されるCD業界ではメガヒットの望めない企画自体にはなかなかGOサインが出にくい現状なのだろう。テレビでは「歌うま芸人」が放送のたびに話題になっているというのに、なんとなく皮肉な巡り合わせを感じる。
 しかしそんな中、かろうじてコミソンに門戸を開き続けてくれている会社のひとつが、『悲愴感』の発売元でもあるポニーキャニオンなのだ。ファンには何ともありがたい存在だ。

 『悲愴感』は初めからヒットの要素が豊富だった。番組でのプッシュはもちろんのこと、羞恥心のパロディというわかり易さ、田中らメンバーの情けないキャラクターや歌詞の面白味、さらに「意外とイイ歌じゃん!」という曲自体のクオリティの高さ。さらにこれら要素に加え、最近とんと聴く機会が減って待望久しかった「いかにも芸人チックで笑えるコミックソング」を、全国のお笑いファンが待ってましたとばかりに支持した結果の、スマッシュヒットだったのでは……と推測する。

 ちなみに、悲愴感は9月24日の『はねトび』特番をもって解散したのだが、29日放送の『HEY!HEY!HEY!』特番にはなぜか出演すると番組内で発表している。このへんのテキトーさが芸人ユニットの本領発揮で、ユニットとしても最高のオチにもなったといえる。

(編集部:尾張家はじめ)
 
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