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いよいよ北島の戦いが始まった。現地時間20時45分、日本時間21時45分から行われた競泳男子100m平泳ぎ予選。北島の記録は59.52秒。これからの爆発を十分に予感させるスタートとなった。
「気持ちよく泳げればいい」。
「明日の準決勝からが勝負」。
「手ごたえは感じている。ここからどんどんあげていく」。
予選レース後、北島の口から語られる言葉はどれも自信に満ち溢れていた。
予選8組第4コースでの出場となった北島。スタート台の水分を丹念にふき取る姿が印象的だ。そこからは雑念は一切感じられない。気迫が満ちている表情だ。
力の抜けたいいスタートを切った北島。浮き上がりも上々だ。前半の3位から徐々に追い上げる。その後先頭に抜きん出る。すでにこの時点で体半分リードしていた。結果は59.52秒。もちろん1位だ。ストローク数にも余裕が感じられた。
おそらくここまでは北島のシュミレーションどおりであろう。明日の準決勝は58秒台後半も射程距離内だ。
一方、予選9組第4コースでの出場となった北島の宿敵ブレンダン・ハンセンは1分00.36秒で4位と振るわず。スタートから出遅れ、中盤での追い上げもなかった。巨人と言われた男が小さく見えたその後ろ姿は、この日の北島とはあまりに対照的であった。
レース前、オリンピックを「戦争」だと語っていた北島。まだ戦いは始まったばかりだ。
文責:Hiroshi Itoh <元千葉県水泳連盟 競技役員、日本体育大学体育学部卒 スポーツ心理学専攻>
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