「新生児の2割にビタミンDが不足しており、母乳だけで育てると、粉ミルクの場合と比べ、ビタミンDの欠乏状態が長引く可能性がある」という調査結果を京都大の依藤(よりふじ)講師(小児内分泌学)が発表した。
依藤講師が京都市内の新生児1120人を対象にビタミンD欠乏の目安と考えられる、頭の骨の軟らかさを調べたところ、22%(246人)が不足気味で、日照が少ない時期が妊娠期間の4、5月生まれの新生児では33%前後と高かった。
また、1ヶ月後の調査で、ビタミンD添加のミルクや母乳を組み合わせての育児と比べ、母乳だけによる育児の方がビタミンDの不足度が高いという結果が出た。
ビタミンD欠乏症はかつて貧しかった時代に食事からの栄養が十分摂れずに発症していた。骨の変形や成長不全を起こす「くる病」である。現代でも乳幼児に増えてきていることは以前から指摘されていたが、今回の1120人のデータでより確信的な結果がでたことで乳幼児と妊婦のビタミンD不足へのさらなる警鐘となった。
食料豊富な現代に何故ビタミンDが不足気味となるのか。大きくわけると二つの問題があるようだ。
ひとつは「乳幼児に多いアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどにより、日光に当たらなくなった」「『紫外線の害に関する情報』を気にして日光を避ける傾向にある」といった日光を浴びる機会の減少。
ひとつは「離乳食が必要なときに食物制限をしたりして、ビタミンDが欠乏気味になっている」「食生活の乱れで母体がビタミンDを十分摂取していない場合がある」といった食事からの摂取の問題。
である。
今回の発表に際して依藤講師は「母乳は望ましい栄養だが、ミルクに比べてビタミンDが少ない。不足を十分に補えない可能性があり、赤ちゃんに短い日光浴をさせるなど配慮が必要だ」
「妊娠中のお母さんは短い日光浴をして欲しい。魚の脂などビタミンDが多く含まれた食事も有効」
と日光浴と食事に関する注意をよびかけている。
(編集部 : TAKESHI)